タイトル |
養液土耕法によるカーネーションの減肥栽培 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
養水分を土壌に間欠ドリップで施用する養液土耕法で、カーネーションの栽培をすると、従来の土耕栽培よりも減肥が可能になる。また、施肥量調節の目安となる簡易栄養診断法による診断基準値も確立した。
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背景・ねらい |
カーネーションの施設栽培では、過剰施肥が毎年繰り返えされており、塩類の集積による連作障害の発生や肥料の溶脱による地下水の汚染が懸念されている。そこで、養液土耕法による養水分管理で減肥が可能かどうかを検討した。また、養液土耕法はリアルタイムの簡易栄養診断により、肥培管理を制御することができるので、診断基準値を作成して、生産の安定を図る。
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成果の内容・特徴 |
- ドリップチューブは水圧変化が大きくても各ノズルから均一に吐出し、長期間詰まらないものとして硬質チューブ(カティフ、ラムなど)が適している(図省略)。配管は80cm幅のベッドであれば両端から20cmの位置に設置し、ノズルピッチは30cmのものを使用する。
- 養水分施用は通常5~12時まで1時間ごとに計8回行うが、蒸散量の少ない冬季は状況に応じて回数を減らす。なお、最初の1回目あるいは1,2回目に肥料を液肥で施用し、あとは水のみとする。潅水量の目安は、1日当たり夏季で3~5リットル/m2(実面積)、冬季で0.5~2リットル/m2(実面積)である。
- 定植前に作土の化学性を調査し、極端に不足する成分は化学肥料で補給するが、決して過剰には施用しない。短期的には窒素の施肥量は10a当たり2~7kg程度でもよいことから(表2)、診断基準値(表3)を参考に施肥量を調節し、栽培終了後には余剰に肥料が残らないようにする(表1)。
- 簡易栄養診断法による植物体浸出液の測定は、診断部位には完全展開葉直下の茎を用いる。概ね2gをサンプリングし、2mm厚にスライスした後純水を加えて10倍希釈する。
土壌抽出液は、表層5cmを取り除き5~20cmの層位の土壌を5号鉢に取り、ヒモ底面給水により12時間給水してから排出液を採取して用いる。
- 連作ほ場などで化学性のバランスがくずれている場合は、土壌抽出液が基準値になるよう単肥配合で成分のバランスを調整して施用する(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培開始前に投入する有機質資材には、窒素含有率の高い資材を使わない。
- 軟質チューブ(適正使用範囲:0.3~1.05kgf/cm2)は水圧が高くなるほど一定時間での吐出量は多くなるので、このタイプのチューブの使用は、適正範囲で水圧を可能な限り一定にする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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肥料
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