タイトル |
ユリ・チューリップのコンテナ栽培による年間多回数切り花生産 |
担当機関 |
長野県野菜花き試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ユリ及びチューリップのコンテナ栽培は、発根・発芽処理や施設内外の移動が容易に行えるため、品質向上と施設占有期間の短縮ができ、ユリの年間4作、チューリップの冬期間6作の年間多回数生産や他品目との組み合わせによる周年切り花生産が可能となる。
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背景・ねらい |
中山間地域においても経営規模拡大や安定生産のためには施設化と周年栽培体系の確立が必要である。そこで、球根類の多回数生産や他品目との組合せによる周年切り花生産を行い、施設の効率的利用と生産性の向上を図るため、コンテナ栽培の耕種法及び低温処理(発根・発芽促進)方法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- コンテナ栽培は、定植後の発根・発芽処理や施設内外の移動が可能になるため、同一施設内でユリでは切り下球の据え置き2度切りと組み合わせた年4作の生産ができ(図1)、チューリップでは冬期間に5~6作が可能である(図2)。
- ユリ:栽植密度はコンテナ(60×40×25cm)当たりオリエンタルハイブリッドで8~10球、アジアティック、LAハイブリッドで16~20球が適する。用土は調整ピートの代替としてきのこ栽培の廃おがくずが利用でき(表1)、調整ピートもアジアティック、LAハイブリッドでは無消毒で3作まで、オリエンタルハイブリッドでは土壌消毒を行うことで多回数の利用ができる。用土量はコンテナに詰めたときの深さが定植前には2cm、定植・覆土した後には10cmが適するが、オリエンタルハイブリッドの据え置き2度切りを行う場合は15cmが良い。また、オリエンタルハイブリッドの秋切り栽培では、10℃・3~4週間または13℃・3週間、アジアティック、LAハイブリッドでは10℃・2週間の低温処理により、切り花品質の向上と栽培期間の短縮が可能となる。
- チューリップ:栽植密度はコンテナ(60×40×20cm)当たり80球前後、品種は耐密植性の面から立葉の品種が適する。用土は調整ピートの代替としてきのこ栽培の廃おがくずや、ピートと混用した籾殻くん炭が利用できる。用土量は定植前の深さ6~8cm前後でよく、底面給水を利用するとさらに用土を減らすこともできる(表3)。水耕栽培は切り花のボリューム面ではやや劣るが、作業性が優れている。また、定植後に冷蔵庫等を利用して発根・発芽処理を行うと栽培施設での栽培期間が短縮し利用率が向上する。
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成果の活用面・留意点 |
- きのこ栽培の廃おがくずは、その種類や栽培する品種により生育が若干異なるので試験栽培を行った後に使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
規模拡大
経営管理
栽培技術
栽培体系
水耕栽培
チューリップ
中山間地域
土壌消毒
品種
ゆり
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