タイトル |
黄色粘着トラップを用いたカンザワハダニ発生量の簡易モニタリング法 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
黄色粘着トラップを茶摘採面上に粘着面を上向きに24時間設置するだけで、4月以降茶生育期のカンザワハダニ発生量を簡単にモニタリングすることができる。
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背景・ねらい |
カンザワハダニは茶病害虫の中で最も防除が困難な害虫で防除回数も多い。防除暦においても半数以上の防除がカンザワハダニを対象に記載されている。農薬散布回数を減らすためには、防除暦によるスケジュール防除から脱却し、発生量や発生時期に応じた適期防除が最も有効である。カンザワハダニの発生量を把握する方法としては茶葉を無作為に50から100葉サンプリングし、寄生状況を調査していた。この方法では、サンプル数、サンプリングの場所、葉位など専門的な知識、技術を必要とし、簡易なモニタリング法の開発が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 20×20cmの白色アクリル板にITシート(黄)を張り付け、粘着面を上向きに24時間茶摘採面上に設置することにより(図1)、カンザワハダニを捕獲でき、発生量の把握に利用することができる。
- 3月の低温期を除き、寄生葉調査による発生消長と黄色粘着トラップの捕獲数の消長はほぼ同様の推移を示す。(図2)
- 葉あたり寄生虫数と黄色粘着トラップ捕獲虫数との関係は時期により異なり、低温期(一番茶摘採以前)と比較して高温期(一番茶摘採以後)は多くの個体が黄色粘着トラップに捕獲される(図2)。
- 4月以降の葉あたり寄生虫数と黄色粘着トラップ捕獲虫数との間には高い相関関係が認められる(図3)。特に、4月から一番茶摘採までは高い相関関係が認められる。
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成果の活用面・留意点 |
- 3月以前は黄色粘着トラップの捕獲数が非常に少ないため利用できない。
- 「4月から一番茶摘採まで」の方が「一番茶摘採以後」に比べて葉あたり寄生虫数と黄色粘着トラップ捕獲虫数との相関関係が高い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
茶
農薬
防除
モニタリング
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