タイトル |
循環かんがいを利用した農薬施用によるウンカ・ヨコバイ類の省力防除 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
循環かんがいを利用した農薬施用で、ウンカ・ヨコバイ類の省力防除が可能である。薬剤施用に要する時間は、10a当たり約6秒と従来の40~60分の1に短縮できる。また、農薬の飛散・被爆がほとんどないので、安全性に優れている。
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背景・ねらい |
水稲栽培では現在、低コスト化、省力化を目的に水田の大区画化が進められ、病害虫防除においても省力的な技術が要求されている。そこで、水資源の有効利用を目的に試験されている循環かんがいを利用して省力防除技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 循環かんがいとは、排水ますへ落水する水を回収してポンプで再給水することにより循環させるシステムである。このシステムを利用して、給水ますへ一度に施用した農薬を水の循環で拡散させることにより防除が可能である。
- イミダクロプリドを施用した試験では、田面水中の濃度は、施用24時間後にはほぼ均一になり、以後減少した(図1)。
- イミダクロプリド水和剤(アドマイヤーフロアブル)の10a当たり100~150ml(有効成分量20~30g)施用は、ツマグロヨコバイに対して施用約50日後まで効果が高い。ヒメトビウンカに対しては、約40日程度はやや劣るが効果があると考えられる(表1、表2)。
- イミダクロプリド水和剤の10a当たり100ml(有効成分量20g)施用では、粒剤の本田施用(10a当たり3kg、有効成分量30g)に比べ、有効成分量を33%削減できる。
- 薬剤施用に要する時間は、10a当たり約6秒と従来の40~60分の1に短縮できる。原液を給水ますから投入するだけなので、通常の防除作業に比べ労働負荷も軽減される。
- 農薬の漂流飛散がなく、施用時の被爆もほとんどないため、周辺環境や作業者に対する安全性が高い。また、天候に左右されずに施用でき、防除適期を逸する心配がない。
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成果の活用面・留意点 |
- 循環かんがいのためのシステムが必要で、新たな設備投資を要する。
- 農薬登録が必要である。有効成分の特性や剤型により防除効果等が異なるため、適用できる農薬が限られる。
- 水深が浅いと濃度むらを生じる可能性があるので、ほ場の均平、水深に留意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
省力化
水田
水稲
低コスト
農薬
ヒメトビウンカ
病害虫防除
防除
薬剤
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