タイトル |
酒米「山田錦」の栽培法と収量、玄米品質 |
担当機関 |
三重県科学振興センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
三重県における酒米「山田錦」の移植適期は、5月中~下旬である。全量有機質肥料による栽培は、慣行栽培と比較すると心白発現率が向上する。また、収穫適期は出穂後40日頃で1穂当たりの帯緑色籾数2~3粒程度が目安である。
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背景・ねらい |
酒米「山田錦」は伊賀地域で契約栽培されているが、玄米品質は他県産に比べて劣っている。また、倒伏しやすいため栽培が困難である。このため、高品質安定栽培技術の確立が求められていた。そこで、移植時期や収穫時期の違い、有機質肥料の施用が「山田錦」の品質、生育・収量等に与える影響について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 5月中下旬の移植は、6月中旬移植に比べて精玄米重が多くなり、心白発現率は向上する(表1)。
- 有機質肥料の全量施用は、同じ窒素量の場合、収量では化学肥料施用に比べて同等かやや劣るが、心白発現率は比較的良好である(表2)。また、千粒重、粗タンパク、胴割れ、倒伏等については影響がない。
- 1穂当たりの帯緑色籾数は、出穂後40日頃で2~3粒程度になり(図1)、籾水分が24%以下で帯緑色籾率が低下する(図2)。玄米の胴割れ率は出穂後45日で急激に増加し(図3)、籾水分が23%以下で多くなる(図4)。これらのことから総合的に判定すると、収穫適期は出穂後40日頃で、1穂当たりの帯緑色籾数が2~3粒残っている状態、籾水分
が24%程度を目安とする。
- 有機質肥料の施肥量は基肥、追肥合計で窒素成分6~7kg/10aとする。
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成果の活用面・留意点 |
- 酒米「山田錦」栽培法の成果は本県では伊賀地域等中山間地に適用する。
- 収穫適期を過ぎると、有機質肥料、化学肥料に関係なく胴割れ米が増加するので注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
安定栽培技術
酒造好適米
施肥
中山間地域
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