タイトル |
重粘低湿土壌地帯における水稲無代かき直播栽培法 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲「キヌヒカリ」の無代かき直播においては、播種前に耕耘を行い、乾土状態で酸素供給剤粉衣種子を散播する。播種後1日間湛水することで土塊が崩壊し、種子が覆土され、その後落水を8日間行うことで苗立が安定する。播種適期は5月上旬以降で、播種量は3~5kg/10a程度で収量が多くなる。
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背景・ねらい |
現在の稲作栽培体系では育苗、代かき及び移植などの春作業に最も労働時間を要している。そこで伊賀地域の重粘低湿土壌地帯を対象に、縦浸透による漏水が少ない土壌条件を活かし、これらの作業が省ける無代かきでの直播栽培方法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 栽培の特徴:耕耘後、乾土状態で散播を行い、その後1日間湛水することで土塊が崩壊し、種子が覆土される(図1)。
- 播種条件:適用品種はキヌヒカリとする。酸素供給剤(カルパー粉粒剤-16)を種子粉衣すること、播種時期を5月上旬以降とすることで苗立率が高くなる(表1)。安定した収量(55kg/a)を得るための苗立数は100~160本/m2程度で播種量は3~5kg/10a程度とする(図4)。
- 耕耘方法:冬場荒起こししないと、耕起後の土壌水分が高いことから入水後すみやかに土塊が崩壊せず、その覆土効果が期待できない。また、冬場の荒起しのみでは土膜形成により、土中へ埋没しない種子があることから、播種前に耕耘を行う。湛水直播と比較して出芽位置は深くなる(図2、表2)。
- 水管理:播種後1日間湛水し、その後の落水期間を8日間とすることで苗立率が高くなる(図3)。
- 施肥:緩効性肥料の全量元肥(LP70:LPSS100=6:4、N:0.72kg/a)で慣行施肥体系(元肥N:0.4kg/a、穂肥N:0.2kg/aを2回)と同等の収量が得られるため省力化できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 重粘低湿土壌地帯に適用し、代かきを行わないため水持ちの悪い水田には適さない。
- 播種前に水田雑草の発生がある場合は予め除草剤による処理が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
育苗
栽培体系
雑草
直播栽培
省力化
除草剤
水田
水稲
施肥
播種
春作
品種
水管理
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