準高冷地における長大型飼料作物の養分吸収特性

タイトル 準高冷地における長大型飼料作物の養分吸収特性
担当機関 長野県畜産試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1999
要約 トウモロコシおよびソルガムは積算温度が1600℃を超える(8月中旬)頃から養分吸収速度がゆるやかになるのに対して、スーダングラスは同時期にさかんに再生伸長するため、養分吸収速度が衰えず、リンを除く多量要素の年間吸収量が最も多い。
背景・ねらい 自給飼料のミネラルバランスを適正なレベルに維持し、できるだけ環境に負荷をかけない飼料生産を行うためには、土壌肥沃度と家畜ふん堆肥の成分・肥効を的確に評価し、化学肥料の施用量を調節する施肥設計システムを構築する必要がある。そのための基礎資料を得る目的で、準高冷地における長大型飼料作物の養分吸収パターンについて場内慣行栽培体系下で調査した
成果の内容・特徴
  1. 1996年と1997年の2年間、長野畜試場内圃場においてトウモロコシ( P3352)、兼用型ソルガム(スズホ)、ソルゴー型極晩生ソルガム(風立)およびスーダングラス( HSK-1)の4草種を栽培し、乾物現存量および養分吸収量(地上部の見かけの養分吸収量)の推移を調査した(図1)。
  2. トウモロコシおよびソルガムは積算温度が1600℃を超える(8月中旬)頃から養分吸収速度がゆるやかになったのに対し、スーダングラスは同時期にさかんに再生伸長するため、養分吸収速度が衰えず、リンを除く多量要素の年間吸収量が最も多かった(図1,表1)。
  3. 4草種ともに生育前半の窒素(N)とカリウム( K2O)の吸収は、作物体の乾物重の増加に先行して活発であった(図1)。
  4. スーダングラス1番草の硝酸態窒素濃度(乾物中)は0.44~0.45%と高く、全窒素濃度の20~25%を占めていた(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 長野県の準高冷地(標高600~800m )で栽培されている長大型飼料作物のうち、代表的な草種の養分吸収パターンと年間の養分吸収量を明らかにしたことから、新しい施肥設計システム構築のための基礎データとして活用できる。
  2. スーダングラスは、1番草の硝酸態窒素濃度(乾物中)が0.44~0.45%と高く、全窒素濃度の20~25%を占めていたことから、今後、基肥窒素の施肥基準を見直していく必要がある。
図表1 215985-1.gif
図表2 215985-2.gif
カテゴリ 肥料 栽培体系 飼料作物 施肥 ソルガム とうもろこし

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