燃焼脱臭装置による縦型密閉発酵装置臭気の脱臭

タイトル 燃焼脱臭装置による縦型密閉発酵装置臭気の脱臭
担当機関 岐阜県畜産試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 縦型密閉発酵装置臭気は高濃度の悪臭物質を含有しており、微生物脱臭方法等では設備が大型化する。燃焼脱臭装置は小型で高性能であり、700℃以上の燃焼温度で悪臭物質をほぼ完全に分解除去可能であり、窒素酸化物の排出量も少ない。
背景・ねらい 家畜ふん尿発酵臭気の脱臭方法として水洗浄法や微生物脱臭法等があるが、これらの方法は洗浄水の処理や広大な敷地を必要とするため、適用できる農家が限定される。そこで、これらの制限のある農家を対象とした脱臭対策の一つとして、燃焼脱臭装置をとりあげ、脱臭効率や分解生成物及び経済性等の検討を行った。
成果の内容・特徴
  1. 図1に示したような燃焼脱臭装置を試作した。炉内有効容積は0.18m3、最大ガス流入量は5m3/min、バーナー能力は石油消費速度で4、5、6L/hの3段階であり、燃焼温度はそれぞれ650、770、850℃となった。なお、空間速度(SV)は600h-1である。
  2. 対象とした鶏糞発酵臭気は、発酵温度が最大となる発酵装置投入後15時間経過時に最強となった。測定は、いずれも投入後3~5時間経過時に行った。脱臭装置への臭気流入量は1.8m3/min、脱臭装置からの排出ガス量は3m3/minであった。
  3. 燃焼脱臭装置による悪臭物質の分解と脱臭効率:燃焼脱臭装置による悪臭物質等の分解状況を図2、表1及び表2に示した。図2及び表2から明らかなように、燃焼温度が高いほど分解効率及び脱臭効率が高くなる傾向があった。悪臭物質の分解率は82~99%、脱臭効率は92~99%であった。ただし、650℃の排ガスはアンモニアの刺激臭が若干認められたほか(図3)、硫化メチルの分解率がやや悪かった (図2)。
  4. アンモニアの熱分解収支
    発酵臭気中のアンモニアガスの一部は窒素酸化物に変化したが、排出基準値(250ppm)以下の濃度であった。また、大部分は窒素ガスとして排出された(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 小型(全容積200L)の装置であるが、これ1台で処理ふん量5ton/dayの発酵装置臭気を処理できる。処理風量は5m3/min。価格は100~200万円程度である。
  2. 連続運転の場合の燃料代は、3,000~4,500円/日である。断熱効果を上げれば、燃料代を節約することができる。なお、燃料節減には触媒式脱臭法があるが、硫黄化合物が強力な触媒毒となるため、発酵臭気には適用できない。
  3. 排ガス温度が400℃に達するが、余熱の有効利用は十分可能である。
  4. 小型のためどこにでも設置できる。
  5. 縦型密閉発酵装置のような高濃度で排出ガス量が少ない臭気の脱臭には最適である。
図表1 215988-1.gif
図表2 215988-2.gif
図表3 215988-3.gif
図表4 215988-4.gif
図表5 215988-5.gif
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