タイトル |
飼料による肉用鶏の糞中の窒素、リンの低減 |
担当機関 |
静岡県中小家畜試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
肉用鶏の飼料中の蛋白質水準を18%から16%に、非フィチンリン水準を0.4%から0.29 %に下げ、市販アミノ酸(リジン、メチオニン)を日本飼養標準の120%、フィターゼを500単位添加することにより、発育成績に差がなく窒素とリンの排泄量を低減できる。
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背景・ねらい |
肉用鶏の市販給与飼料中には、日本飼養標準をやや上回る栄養分が含まれており、鶏に吸収利用されなかった栄養分(特に窒素とリン)は糞中に排泄され、農地に過剰に施用された場合、土中から溶出して環境負荷の一因となっている。そこで肉用鶏から糞中に排泄される窒素とリンの排泄量の低減対策を飼料給与の面から検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 1)蛋白質(CP)水準18%、非フィチンリン(NPP)水準0.4%の対照飼料を給与する18%区、2)CP17%、NPP0.29%で市販アミノ酸(リジン、メチオニン)を日本飼養標準の120%とフィターゼを500単位添加した飼料を給与する17%区、および3)CP16%、NPP0.29%で市販アミノ酸とフィターゼを17%区と同様に添加した飼料を給与する16%区の3区を設けて、8週齢まで飼養試験を行い、窒素とリンの出納を検討した。
- 体重では区間差が認められなかった(図1)。
- 窒素排泄量は6及び8週齢時とも17%区及び16%区では18%区より有意に少なかった(図2)。
- リン排泄量は6及び8週齢時とも17%区及び16%区では18%区より有意に少なかった(図3)。
- 糞からのアンモニア発生量は6週齢時には18%区より少なかったが、8週齢時には18%区と差がなかった。
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成果の活用面・留意点 |
ブロイラー農家で利用できるが、アミノ酸(メチオニン19,000円/25kg/袋、リジン21,000円/25kg/袋)フィターゼ(24,000円/20kg)を利用した場合、飼料1kg当たり約3.5円上昇する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
鶏
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