ワルナスビの栄養繁殖の制御にプラウ耕の効果は期待できない

タイトル ワルナスビの栄養繁殖の制御にプラウ耕の効果は期待できない
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 ワルナスビの栄養繁殖器官(根)は埋没深5cmの位置では、冬季の寒波と乾燥による影響を受けない。また地表面から50cmの埋没位置からも出芽が可能なことから、プラウ耕による反転、深耕ではワルナスビの蔓延を抑制できない。
背景・ねらい プラウ耕による反転耕は深耕により地表面近くの根群を下層へ移動させる一方で、下層の根群を地中から露出させることにより、冬季の寒波と乾燥により地下部の栄養繁殖器官を制御する効果が期待される。そこで、プラウ耕による多年生雑草ワルナスビの栄養繁殖器官に対する制御効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. プラウ耕及びロータリ耕を行った後の根や地下茎の切断長は、砕土効果の高いロータリ耕の方が短い。また、ロータリ耕では切断根片は地表面から15cmの間に存在するのに対して、プラウ耕では土中20cm以上の深さにまで埋没される(図1)。
  2. プラウ耕による反転等により完全に地表面に露出した根片では、冬季の寒波と乾燥により枯死する。しかし、埋没深5cm以上では早春までに重量が増加し、萌芽能力も保持している(図2)。
  3. ワルナスビ根片(切断長10cm)からの出芽日数は、埋没深が深くなるほど長くなるが、50cmの埋没深でも地表まで出芽する。また、埋没深が深いほど地上部及び根の成長量は小さくなるが、いずれの埋没深でも主根は8月までに1m以上に伸長する(表1)。
  4. ロータリ耕耘により3本の根片から3年目の秋季に900本以上に地上茎が多発した圃場を秋季にプラウ耕で深耕し、翌春まで放置した結果(トウモロコシ播種前にロータリ耕で整地)、ワルナスビ地上茎はトウモロコシ収穫期には2700本以上になり、分布域も拡大した(図3)。従って、プラウ耕でも地上茎の発生を抑制できない。
成果の活用面・留意点
  1. ワルナスビの栄養繁殖器官に対して物理的制御は不可能に近い。このため、非選択性除草剤の利用を検討する必要がある。
  2. 冬季における根片の枯死深度は地域、地帯によって異なる可能性がある。
図表1 216005-1.gif
図表2 216005-2.gif
図表3 216005-3.gif
図表4 216005-4.gif
カテゴリ 病害虫 乾燥 雑草 除草剤 とうもろこし なす 播種 繁殖性改善

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