タイトル |
飼料イネ用カッティングロールベーラ |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水田転作作物として飼料イネを栽培し、これをホールクロップサイレージとして調製するため、特に排水不良で軟弱な圃場条件でも安定して高能率な収穫・梱包作業が可能な飼料イネ用カッティングロールベーラを開発した。
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背景・ねらい |
米の生産調整が強化される中、水田を有効に活用し、しかも飼料自給率の向上を図ることは耕種サイドにとっても、また畜産サイドにとっても重要な課題である。そのため、水田の機能をそのまま利用できる水稲の飼料利用についての関心が高まっている。そこで、特に軟弱な水田でも飼料イネを安定かつ高能率に収穫することができる自走式収穫機械を開発する。
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成果の内容・特徴 |
開発した飼料イネ用カッティングロールベーラは5条刈り自脱型コンバインをベース機とし、脱穀部の替わりに切断装置(ディスクカッタ)とロール成形部(φ1000×1000mm)を搭載したものである(図1)。本機は排水不良田でも材料稲をダイレクト収穫し、ディスクカッタで切断後、ロール成形が行える自走式カッティングロールベーラである。
- 本機の材料イネの刈取りから梱包までの流れは、まず自脱型コンバインの刈取り部で収穫し、穂先・株元搬送チェーンで搬送され、縦搬送チェーンからロール成形部の前部に装着したフィードチェーンに受け渡され、搬送方向を約45°変換してロール成形部へ搬送する。この場合、穂先の搬送に遅れが生じないようにフィードチェーンと平行して装着した掻込みタインにより強制的に稲の状態をロール成形部と水平状態に保つ(図2)。
- 次にフィードチェーンから切り離された材料イネはディスクカッタで細断され(平均切断長:約15cm)、オーガで均らされてからビータでロール成形室に送り込まれてロールが成形される(図2)。
- 本機を用いた飼料イネの収穫・梱包作業における全作業時間は22分/10aであり、作業効率がやや低い要因は結束時間が全作業時間の約30%を占めるためであるが(表1)、これは従来のロールベール作業と同程度である。また、細断等により発生する回収ロスは、密封作業まで含めて8.5%程度である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本機は特に軟弱な圃場条件での飼料イネの収穫作業に威力を発揮する。
- ロールの密封作業には、当センターで開発した自走式ベールラッパとの組作業により、ロールベールを圃場に落下させることなくサイレージ調製まで行うことができる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
収穫機
水田
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