タイトル |
転換畑でのトウモロコシサイレージ生産における実態調査と作業時間の推定 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1999~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
転換畑でのトウモロコシサイレージ生産の現地実態調査から、畦畔を有することや圃場区画の違いと作業時間、圃場の分散による生産物の運搬と機械移動時間等を推定し、転換畑におけるトウモロコシサイレージ生産のための作業時間を算出した。
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背景・ねらい |
転換畑における飼料作物生産では湿害を受けやすいことの他、畦畔を有することや圃場区画の違い、また土地集積が進んでいない場合では圃場の分散の度合いにより作業時間に大きな差が生じる。そこで、転換畑を利用して飼料生産を行っている現地生産農家の実態調査から、圃場区画や分散度を考慮した作業時間の推定を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 転換畑でのトウモロコシ生産の作業上の特徴は、周囲の水田や水路からの湿害を受けやすいことから圃場外周に作溝を掘る作業、また畦畔を有することから畦畔除草作業、さらに収穫作業においては外周1条の手刈り作業が必要なことにある。特にこれらの作業は人力作業が中心となり、30a区画圃場では全作業の約25%を占める(表1)。
- 圃場区画が異なることによる作業時間の違いは、30a区画圃場の実測データ(表1)を基本として各作業を作業法により往復作業(耕耘と播種)、回り作業(堆肥・除草剤散布)、外周作業(作溝と畦畔除草)の3種類に大別し、圃場の長辺と短辺の比率から各作業の工程別作業割合を変えて圃場作業量を補正する(表2)。
- 分散した圃場では作業機の移動時間や生産物等の運搬時間が問題となる。そこで、堆肥や収穫物等の運搬時間は牛舎から圃場までの距離と作業機の速度を用いて算出する。また、機械の移動時間については圃場1筆の作業が終わると近隣圃場へ移動するのが基本であるが、土壌や収穫物の条件により作業の順番が異なることが想定されるため、対象圃場から各圃場までの距離の平均値を、その圃場からの機械移動距離として移動時間を算出する(図1、表3)。
- 調査牧場における圃場区画と分散度を考慮して、トウモロコシ生産に係る全作業時間を推定すると、総面積307aで全作業時間は165.2時間となる(表3)。これらの内、生産物等の運搬時間と作業機械の移動時間を合わせると23.4時間となり、全作業時間の約15%を占めることになる。
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成果の活用面・留意点 |
- 転換畑における飼料生産のための経営指標として活用する。
- 供試作業機械のサイズにより、基本データを補正する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
経営管理
畦畔除草
湿害
除草剤
飼料作物
水田
とうもろこし
トウモロコシサイレージ
播種
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