タイトル |
ベランダ向きガーデニング用植栽基盤 |
担当機関 |
埼玉県花植木センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
繊維状の合成樹脂を成形して作られたマットに植穴を設け、この内部に軽量培養土を充填した植栽基盤は、バラとモントレーイトスギの生育に問題が無く、ベランダ等の人工地盤における緑化植物の植栽基盤として利用できる。
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背景・ねらい |
庭を持たない家庭でもベランダのような少スペースを利用して、実際の庭に植物を植えた状態に近い感覚でガーデニングを楽しむことができる植栽基盤を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 作成した植栽基盤は、繊維状の合成樹脂を成形して作られた厚さ8.5cmのマットを65 cm×50cmにカットし、直径11cmの植穴を1枚に4または5個あけ、マット内部に十分行き渡るように各種培養土を充填したものである(表1)。このマットは、片面の繊維が緻密になっており、充填した培養土が底面からこぼれ落ちにくい構造になっている。
- 1人で2~3枚運搬できる重さとして、乾燥時の重量で1枚5kg以下を目標とすると、赤土:腐葉土=3:1の慣行培養土では重さ約20kgと目標を大幅に超えるが、パーライト系人工土壌、ピートモス改良培養土、ピートモス:パーライト=1:1では目標を達成することができる。しかし、軽量の基盤でも水を含ませると1枚20kg前後の重量となる(表2)。また、植栽後の風による植栽基盤の移動や植物の倒伏はみられない。
- バラについては、赤土:腐葉土=3:1の慣行培養土、混合培養土での生育がやや旺盛で、パーライト系人工土壌の生育がやや緩慢な傾向がみられるが、いずれも7~11月にかけて開花がみられ、観賞可能な状態を維持できる(表3)。モントレーイトスギについても、赤土:腐葉土=3:1の慣行培養土、混合培養土の生育がやや旺盛な傾向がみられるが、各区とも生育しており、観賞可能な状態を維持できる(表4)。
- 本試験で作成した植栽基盤に植えられた植物の観賞性については、どの培養土でも問題がないが、運搬可能な乾燥時の重量から、パーライト系人工土壌、ピートモス系培養土、ピートモス:パーライト=1:1などの培養土の使用が適当である。スペースに合わせて複数の植栽基盤を利用して植木を植栽することにより、従来のプランターや植木鉢と異なったガーデニングの楽しみを消費者に提供することができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 植栽基盤側面からの用土の脱落を防止するため、側面を不織布シートやプラスチック枠等で覆う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
人工土壌
ばら
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