揉捻工程における分銅さお制御技術の開発

タイトル 揉捻工程における分銅さお制御技術の開発
担当機関 静岡県茶業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 従来の揉捻機を改良し、分銅さおを一定に制御する機構および制御技術を開発した。分銅さお角度が一定以上になったときに分銅さおを押し下げ、制御した。その結果、荒茶品質の向上が認められ、揉捻工程制御技術として利用可能となった。
背景・ねらい 近年、荒茶生産現場では、揉捻工程の揉圧効果が品質向上のために見直され、製茶ラインは揉捻機の台数が増え、揉捻時間を十分にとれるライン構成に変更されてきた。現場における操作条件は標準製茶法よりも工程時間を延長し、また、分銅操作はほとんど行わず、茶葉投入・取出し以外は分銅加重量を最大とするのが一般的となっている。
しかし、現場で行われている一般的な操作条件は茶葉の破砕などの原因となり、必ずしも品質向上につながっているとは言えず、茶葉の変化をとらえた製造技術が必要と考えられる。また、揉捻工程は制御が行われていないため、制御技術の開発が荒茶製造工程管理の面から必要であると考えられる。
そこで、各種のセンサを揉捻機に取り付け、茶葉特性をオンラインで把握するとともに、センシング値から茶葉の変化に応じた分銅さお角度制御の方法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 操作条件の決定に際して、熟練茶師は茶葉小玉のほぐれ具合(水分)や分銅さお角度などを判断材料としている。そこで、工程中茶葉の特性変化をとらえるために、揉捻機に水分センサとさお角度センサを取り付けた(図1)。
  2. 分銅さおが茶葉によって押し上げられている時間は、茶葉に対する分銅加重が十分にかからないこと、また、茶葉が揉盤上を滑り、揉み鉢内での茶葉の旋転が十分に行われないことが明らかとなり、十分な揉圧効果を得るための改良が必要と考えられた。
  3. そこで、分銅さおにエアシリンダーを取り付け、分銅さお角度指示値が一定以上の値を示したときに、さお角度を押し下げる機構を開発した(図2)。
  4. その結果、工程中を通して、茶葉に十分な揉圧がかかり、分銅加重のみに比べて、荒茶品質が向上した(表1)。また、分銅さお角度は右下がりに推移する一定の角度に制御された(図3)。これは標準製茶法で十分な揉圧がかかるとされる分銅さお角度の推移と一致した。
  5. 揉み鉢内の茶葉の塊が崩れ、除重操作、工程終了間近と判断できる時点において、分銅さお角度指示値は急激に下がる傾向を示した(図4)。また、この時の水分センサ値も下がる傾向を示していた。これら2つのセンサ値から除重操作や工程終了の判断ができ、揉捻工程の制御技術に応用できるものと考えられた。
成果の活用面・留意点
  1. 分銅さお角度の制御技術が確立され、この制御技術から揉捻工程全体の制御技術の開発に応用できるものと考えられた。
  2. 揉圧のかけすぎは茶葉汁を揉みだし過ぎるため、品質低下(淡白な味)につながる。
図表1 216106-1.gif
図表2 216106-2.jpg
図表3 216106-3.jpg
図表4 216106-4.gif
図表5 216106-5.gif
カテゴリ センシング

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