タイトル |
茶園造成で土層改良効果が高いロータバケット混層耕 |
担当機関 |
静岡県茶業試験場 |
研究期間 |
1997~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
茶園造成地における表土扱い層の土層改良で、ロータバケット混層耕を行うことにより、大型重機の走行等により緊密化した土壌をぼう軟にするなど、土壌物理性の改善効果が高く、茶樹の生育も良好である。
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背景・ねらい |
茶園造成における表土扱いは、通常、大型重機(ブルドーザ、ダンプトラックなど)によって行われるが。これら重機による圧縮や練り返しにより、土壌が緊密化しやすく、とくに、新規造成地では腐植が乏しいため、土壌構造が悪化しやすい。そこで、表土扱い層の土層改良を行う混層耕において、従来のバケットによる混層耕法とロータバケットによる混層耕法が土壌及び生育に及ぼす効果を調査した。
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成果の内容・特徴 |
- ロータバケットは、図1に示すように、バックホーに装着したバケット内にロータリー式の鉄製の羽根を取り付け、これを油圧モーターで回転させ、バケット内の土塊をほぐしながら混層を行うものである。試験では、表土扱い層の深さ約1mを混層(1997年2月処理)した。
- 土壌貫入抵抗(定植3年目うね間土壌、深さ90cmまで)では、バケット区は下層部に15kg/cm以上の値を示すところもあり、不均一と思われた。ロータバケット区は、10kg/cm以下が多く、全体に貫入抵抗の値が小さい傾向にあり(図2)、土壌を均一にぼう軟化していることが認められた。
- 表土扱い層の透水性は、ロータバケット区の方が良い傾向にあった。また、粗間隙割合はバケット区に比べて、ロータバケット区の方が大きく、排水性からみて良好であると判断された。さらに微細間隙割合においてもロータバケット区がバケット区よりもやや大きく、保水性についてもやや勝っていると思われた(表1)。
- 定植3年目における一番茶生葉収量は、バケット区100に対してロータバケット区は109であり、わく摘み調査では、摘芽数では差がなかったが、摘芽長、摘葉数、100芽重等が多く、芽伸びが良かった。また、二番茶生葉収量も、ほぼ一番茶と同様な傾向にあった(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
茶園基盤整備(新植、改植時)において、とくに地形修正をともなう場合は土壌構造が悪化しやすいので、その際の土層改良技術として活用していく。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
改植
栽培技術
茶
排水性
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