新たに発見された害虫インゲンテントウの発生生態と防除

タイトル 新たに発見された害虫インゲンテントウの発生生態と防除
担当機関 長野県野菜花き試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 海外からの侵入虫害と考えられるインゲンテントウは、インゲン、ベニバナインゲン、ダイズなどマメ科作物を食害する。成虫越冬して、5月下旬から10月にかけて発生し、2化性である。幼虫はPAP乳剤、シペルメトリン乳剤、マラソン乳剤、MEP乳剤及びCYAP乳剤防除が可能である。
背景・ねらい インゲンテントウは、1997年8月に長野県と山梨県の県境周辺で発生が確認された海外からの侵入害虫である。マメ科作物を食害し、インゲン、ベニバナインゲンの被害は大きく、ダイズの被害は比較的小さい。侵入害虫であるため、国内における知見がなく、防除技術も確立されてない。発生生態を明らかにし、さらに防除薬剤の農薬登録を促進する。
成果の内容・特徴
  1. インゲンテントウは成虫越冬し、2化性である(図1)。
  2. 越冬成虫は、越冬場所からクズなどのマメ科雑草へ移動し、作物を食害するまでの一時的な餌植物とする。その後、インゲンなどが発芽・生長すると、そこへ移動して食害する。
  3. マメ科作物4種(ベニバナインゲン、インゲン、ダイズ、クズ)で成虫の寄主植物選好性を調査したところ、成虫は主にベニバナインゲンとインゲンに寄生し、ダイズ、クズを選んだ個体は少なかった(表1)。同一空間にインゲン類とそのほかのマメ科植物があった場合は、インゲン類を選好して寄生することが明らかになった。
  4. PAP乳剤、シペルメトリン乳剤、マラソン乳剤、MEP乳剤及びCYAP乳剤の幼虫に対する殺虫効果は高い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. インゲンに寄生した場合、つる性種のインゲンでは作物体が枯死することはないが、わい性種のインゲンでは高密度になると枯死する場合があるので、薬剤防除が必要である。
  2. 薬剤は幼虫に対しては効果が高いが、薬剤によっては蛹、成虫に対する効果が低下するので、幼虫を防除対象とする。
  3. 上記の薬剤はインゲンのインゲンテントウに対して農薬登録が適用拡大された。
図表1 216158-1.gif
図表2 216158-2.gif
図表3 216158-3.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 雑草 大豆 農薬 べにばないんげん 防除 薬剤

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