茶の品質予測のためのPLS回帰モデルによる新しいチャ生葉格付け法

タイトル 茶の品質予測のためのPLS回帰モデルによる新しいチャ生葉格付け法
担当機関 静岡県茶業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 近赤外分光式生葉格付け装置から得られたチャ生葉の吸光度を基に加工後の茶の品質を予測するPLS回帰モデルを作成した。原料及び加工特性も考慮し茶の品質を予測するもので、新しい生葉格付け法として利用できる。
背景・ねらい これまでの官能検査による生葉の格付けでは、相対評価を理由に入荷時点の格付けは不可能であった。しかし、生葉の格付け値は生葉代金の算出に用いられるだけでなく、生葉の保管条件や加工条件に反映できれば、茶の品質向上に役立つものと考えられる。近年、導入されつつある近赤外分光式生葉格付け法は客観性や迅速性において優れた方法である。しかしながら、格付け値は生葉の成分値のみに依存し、加工後の品質を想定したものではない。このため生葉の熟度が低いとき、格付け値と加工後の茶の品質との間にずれが生ずる場合がある。そこで、生葉の吸光度データに基づき、加工後の茶の品質を予測する評価モデルを作成した。本モデルを利用することで、生葉の段階において加工後の茶の品質を想定した生葉の格付けが可能となり、従来の生葉格付けシステムの改善に役立つと考えられる。
成果の内容・特徴
  1. サンプル重量500~700gのチャ生葉を対象に近赤外域吸光度を測定することから、サンプリング誤差の小さい含有成分および物理特性を反映した光情報を取得できる(写真1)。
  2. 生葉についての10個の近赤外域吸光度と加工後の茶の官能検査点との関係を遺伝的アルゴリズム(GA)、及びPLS回帰法を用いてモデル化することにより、生葉の光特性から加工後の茶の品質を予測するものである。PLS回帰法及びGA-PLS変数選択法による茶の品質予測モデルの作成手順は図1のとおりである。
  3. モデルの汎用性を検証するため、異なる年度の試料に本モデルを適用し、予測値と実測値との関係を解析した。その結果、両者の関係に相関係数r=0.854が得られ、モデルの未知試料に対する汎用性は良好と判断された(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本モデルをチャ生葉格付け装置に茶品質予測モデルとして搭載することにより、加工後の茶の品質の予測値に基づいた生葉格付けが可能となる。
  2. モデル作成時に用いた茶は標準製茶法による普通煎茶であり、想定する茶種が異なる加工施設では利用できない。
カテゴリ 加工 加工特性

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