タイトル |
小粒、良質、ダイズモザイク病抵抗性で納豆用のだいず新品種候補系統「東山187号」 |
担当機関 |
長野県中信農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
だいず「東山187号」は、小粒で納豆の食味に優れる中生系統である。ダイズモザイク病抵抗性で、褐斑粒の発生がほとんど無く外観品質が良い。裂莢しにくく、「納豆小粒」に比べ倒伏が少ないため、機械収穫に適する。
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背景・ねらい |
温暖地の納豆用小粒品種「納豆小粒」は、ダイズモザイクウイルス(SMV)のC、D病原系統に対して感受性のため、ダイズモザイク病多発地域では褐斑粒発生により品質が低下する。また、晩生で生育量が大きく倒伏しやすい。そこで、ダイズモザイク病抵抗性で機械収穫に適した小粒品種を育成し、納豆用高品質大豆の生産を図ろうとした。
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成果の内容・特徴 |
「東山187号」は、平成元年に長野県中信農業試験場(農林水産省大豆育種指定試験地)において、納豆用小粒品種「納豆小粒」を母、ダイズモザイク病抵抗性で耐倒伏性、難裂莢性品種「タチユタカ」を父として人工交配し、選抜・固定を図ってきた系統である(表1)。
- 「納豆小粒」に比べ、早生で倒伏および蔓化が少ない。「コスズ」よりは晩生である(表1)。
- 収量は「コスズ」並で、「納豆小粒」に比べて多収である(表1)。
- ダイズモザイク病に抵抗性で褐斑粒の発生がほとんど無く、外観品質に優れる(表1、表2)。
- 子実中の蛋白質含有率は中程度であるが、全糖含有率は「納豆小粒」および「コスズ」よりやや高い(表1)。
- 粒大は「納豆小粒」および「コスズ」に比べやや大きいが、納豆の食味は同程度に優れ納豆加工に適する(表1、表2)。
- 裂莢しにくく、「納豆小粒」に比べて耐倒伏性に優れ、着莢位置もやや高いので、機械収穫適性が高い(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は関東・東山地域である。
- ダイズシストセンチュウに対する抵抗性が弱いので、適正な輪作体系で栽培する。
- 蔓化・枝折れする場合があるので、早播きや標播での密植は避ける。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
加工
新品種
大豆
抵抗性
品種
良食味
輪作体系
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