タイトル |
愛知県西三河洪積台地における大豆の収量変動に関与する栽培・形質要因 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
愛知県西三河洪積台地における大豆生育・収量の現状把握をしたところ、多収ほ場では、播種時の砕土が細かく中耕時の培土が高いこと、窒素施肥が行われていること、開花が早く成熟が遅いことなどの特徴があった。また、多収大豆では、初生葉が長く、開花期の被度が大きいこと、莢数が多く、大粒比率が高いなどの特徴があった。
|
背景・ねらい |
大豆単収が140kg/10a(フクユタカ作付率98%)と極めて低位な愛知県で「本作化」に対 応する大豆作を実現するには、主要作地帯の西三河洪積台地における生育改善による収量 水準の大幅向上が必要である。したがって、変動の大きい当該地域の大豆生育を播種から 成熟までを的確に把握し、収量向上のための資料とする。
|
成果の内容・特徴 |
- 西三河洪積台地における子実重の変動は50?450g/m2と非常に大きい(図1)。
- 土壌の理化学性:①ECは全般に低いが多収ほ場でやや高い。②pHは大豆作には低い
が、子実重への影響は判然としない(表1)。
- 主要播種期は6月中旬から7月中旬で、6月第6半旬が中心であるが、播種期の子実
重への影響は判然としない(図1、表1)。播種時の耕深、麦稈処理、播種条間が子実重 に及ぼす影響は判然としないが、多収ほ場では砕土が細かい(表1)。
- 多収ほ場では出芽が多く、初生葉が大きい特徴がある(表1)。
- 中耕はほとんどの場合、培土と同時に1回行われ、時期は7月第6半旬?8月第1半
旬である。培土の高さは多収ほ場で高い(表1)。
- 窒素施肥はほとんど実施されないが(データ略)、追肥の窒素施用量が多収に及ぼす
効果が大きい(表1)。
- 生育量は多収ほ場で全般を通じて大きく推移する(図2)。開花期の被度は収量との
関係が大きく、多収ほ場で大きい(表1)。
- 本葉葉齢と主茎長の関係が収量に及ぼす影響は判然としないが(図3)、多収ほ場では
生育後期に主茎長の伸長が停滞しない(図2)。
- 多収ほ場で開花期がやや早くなり、成熟期は遅れる(図4)。
10.収量構成要素のうち、多収ほ場では、莢数および大粒比率が特に大きい(表1)。 11.栽植密度は9本/m2程度が、多収、太茎化、最下着莢高の確保に良い(図5)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 本成果は、平成12年に豊田、安城、刈谷、知立、碧南の洪積地帯5市45ほ場の追跡
調査結果に基づいており、岡崎市など沖積地帯には適応しない。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
図表5 |
 |
図表6 |
 |
カテゴリ |
収量向上
施肥
大豆
播種
|