タイトル |
高消化性ソルガム「葉月」の除草剤を使用しない散播栽培における適正播種量 |
担当機関 |
長野県畜産試験場 |
研究期間 |
|
研究担当者 |
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
高消化性ソルガム「葉月」の散播栽培において、播種量を10a当たり8kgにすることで、ヒユ類やアカザ等の雑草を抑制し、除草剤を使用しない栽培が可能である。
|
背景・ねらい |
高消化性遺伝子'bmr'を導入したソルガム「葉月」は、茎葉が柔軟で、密植栽培下でも優れた耐倒伏性を示し、再生力も兼用種としては良好なことから、散播・密植栽培、年2回刈りによるロールベール・ラッピング利用体系への対応が可能である。 一方、飼料作物における雑草防除に関しては耕種的方法等によって、過度に除草剤に依存しない防除技術が求められており、環境保全型雑草制御技術の確立が不可欠である。そこで、「葉月」の除草剤を使用しないで栽培が可能な播種量を明らかにする。
|
成果の内容・特徴 |
- 試験は6月中旬に播種し、収穫は、一番草は出穂期を目安に、8月中旬、再生草は9月下旬に行った。なお、平成11年は、除草剤散布区および無散布区、平成12年度は無散布区の検討を行った。
- 除草剤を散布する慣行栽培に比較して、散布しない栽培では、乾物収量は、2kg/10a播種では、82%程度に低下するが、5kg/10a以上の播種量では有意な差が認められない(表1)。
- 除草剤を使用しない栽培では、播種量の増加に伴い、草丈は短く、稈径は細くなる。また、ソルガムの生草および乾物収量は、8kg/10a播種区が2カ年平均で高い傾向である(表2)。
- 雑草の発生量は年次により異なるが、雑草の発生が多い年でも播種量が8kg/10aでは、雑草の発生を抑制する(表2、図2)。
- 試験期間における密植による倒伏、および病害の発生は認められない。
- 以上の結果から「葉月」の散播栽培では、播種量を10a当たり8kgとすることで、ヒユ類やアカザ等の雑草を抑制し、除草剤を使用しない栽培が可能である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 雑草としてヒユ類、アカザ等が優占する圃場の6月中旬播種(平均気温で18℃程度)に適応できる。
- 5月播種の様に気温が低く、ソルガムの初期生育が緩慢な場合等は、ソルガムと雑草の生育が異なるので留意が必要である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
病害虫
雑草
除草剤
飼料作物
ソルガム
播種
防除
|