緑汁発酵液添加によるアルファルファサイレージの発酵品質と牛の窒素利用性の改善

タイトル 緑汁発酵液添加によるアルファルファサイレージの発酵品質と牛の窒素利用性の改善
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 アルファルファロールベールサイレージ調製時に緑汁発酵液(FGJ)を材料生草量の0.2~0.4%(v/w)添加することで、サイレージ品質、牛における繊維成分の消化率および窒素利用性が改善される。
背景・ねらい 牧草に付着している乳酸菌を事前増殖させた緑汁発酵液(FGJ)は、ほとんど経費がかからず市販乳酸菌製剤と同等の添加効果があることが実験室レベルで確認されている。そこで、サイレージ調製が難しいと言われるアルファルファ(1番草)をロールベールサイレージとして調製し、サイレージ品質への影響と乾乳牛を用いた窒素出納試験からFGJの添加効果を現場レベルで検討する。
成果の内容・特徴
  1. FGJの作成および添加方法は、1)アルファルファ材料草100gに水200mlを加える。2)家庭用ミキサーで約30秒攪拌後ガーゼでろ過する。3)ろ液を約10倍に希釈する。4)液量の2%相当量の砂糖を添加し室温(25~30℃)で2日間培養する。5)サイレージ調製時に更に液量の1%相当量の砂糖を加える。6)FGJはロールベーラに装着した市販添加剤噴霧装置(設定吐出量:740ml/分)を用いて、材料草原物量の0.2~0.4%量(v/w)を添加する。
  2. 予乾の有無に関わらず、FGJ添加により、サイレージのpH、酪酸含量、総窒素に占める揮発性塩基態窒素の割合(%)が低下し、総揮発性脂肪酸含量と乳酸含量が高まり、サイレージの発酵品質が改善される(表1)。
  3. FGJを添加したサイレージの乾物、有機物、粗繊維消化率および可消化養分総量含量は無添加より高い(表2)。
  4. FGJ添加サイレージでは、採食後の第一胃内容液のアンモニア態窒素濃度および血中尿素窒素濃度が低く推移する(図1)。また、尿中窒素排泄割合が低く、蓄積窒素量とその割合が高いほか、微生物態蛋白質合成量の増加を示す尿中アラントイン排泄量も高い傾向にあり(図2)、窒素利用性の改善が認められる。
成果の活用面・留意点
  1. FGJは現場レベルでのアルファルファロールベールサイレージに対しても、発酵品質や飼料利用性の改善効果がある。
  2. FGJの添加に際しては、必要量を均一に散布するための添加噴霧装置を使用する必要がある。
図表1 216261-1.gif
図表2 216261-2.gif
図表3 216261-3.gif
カテゴリ アルファルファ 飼料利用性 乳牛

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