泌乳最盛期におけるTMRでの飼料イネホールクロップサイレージの利用

タイトル 泌乳最盛期におけるTMRでの飼料イネホールクロップサイレージの利用
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究期間 2000~2003
研究担当者
発行年度 2000
要約 泌乳最盛期牛に対し、飼料イネホールクロップサイレージを粗飼料素材としてTMR乾物中26%混合しても、嗜好性、反芻、乾物摂取量、泌乳成績を良好に確保できるので、未消化子実排泄分の低減はいっそうの利用性につながりうる。
背景・ねらい 三重県における飼料生産基盤は転換畑であり、水田の有効利用と自給飼料生産拡大を目的とした飼料イネの栽培に、適した環境にある。そこで、乳牛に対する飼料イネホールクロップサイレージ(RWCS)の栄養価値の把握や、適正給与メニューによる泌乳成績の向上をめざした効果的な給与技術を確立する。
成果の内容・特徴 飼料イネ(品種:やまひかり)の黄熟期に、飼料イネ用カッティングロールベーラーとベールラッパでRWCSに調製したものとスーダン乾草をTMRの粗飼料素材とし、粗蛋白質と可消化養分総量(TDN)がほぼ等しくなるよう2種類のTMRを設計、調製して、消化試験(乾乳牛2頭)と泌乳試験(泌乳最盛期牛6頭、1期2週間、計3期の反転試験法)を行った。
  1. 乾乳牛を用いた消化試験によるTDN含量の実測値は、飼料分析値からの推定TDNと比較して、イネTMRがスーダンTMRよりも低く、未消化子実(摂取籾の約57%)の糞中への排出による栄養ロスを認める(表1,表2)。
  2. 泌乳最盛期にRWCSをTMR乾物中26%給与しても、嗜好性、反芻行動、体重、乳量に差はなく、良好な泌乳成績が得られる(表3,表4)。またFCM、乳脂肪量、乳蛋白質量、無脂固形分率・量はイネTMRで少ないが、子実の未消化による栄養ロス分は、TDNを中心に他飼料で補正すれば改善可能である(表4)。なおRWCS給与による、血液・尿性状の異常や疾病の発生は認められない。
  3. TMR中、RWCS摂取量は原物14.6kg/頭/日(乾物7.0kg)で、両TMR間の乾物摂取量に差はないが、TDN養分充足率はイネTMRで低い(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 乳用牛に対して、飼料イネを合理的に給与するための指針として利用できる。
  2. 子実の糞中排泄量は種々の要因で変化するため、その排泄率に関し、より多くのデータを収集するとともに、刈り取り時期、品種選定、サイレージ調製法、給与前の加工処理等を検討することで、消化性や栄養価値が高まり利用性向上につながる。
図表1 216262-1.gif
図表2 216262-2.gif
図表3 216262-3.gif
図表4 216262-4.gif
カテゴリ 加工 水田 生産拡大 乳牛 品種

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