タイトル |
採卵鶏における窒素・リン排泄量の低減化技術 |
担当機関 |
岐阜県畜産研究所 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
単体アミノ酸およびフィターゼを添加した低蛋白室低リン飼料を採卵鶏に給与したところ、大雛期の発育及び産卵期の生産性に悪影響を与えることなく、窒素排泄量を約30%、リン排泄量を約30%低減できた。
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背景・ねらい |
家畜排泄物は有機質肥料として利用されているが、過剰に施用すると雄肥料成分等が地下水に浸透したり、河川へ流出し、水質汚染の原因のひとつとされている。平成11年7月に農業環境3法が公布され、畜産農家に家畜排泄物の適正な管理と有効利用が義務付けられる等、環境保全に配慮した畜産経営が要求されている。このような譲許の中で、従来の鶏ふん処理・利用技術に加え、排泄物中の窒素・リン含量を低減する技十つが必要である。
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成果の内容・特徴 |
採卵鶏の排泄物中の窒素・リン含量を低減するため育成後期用および産卵期用飼料中の窒素・リン含量を少なくし、窒素・リンの吸収効率を向上させるため単体アミノ酸とフィターゼを添加した低蛋白質低リン飼料を調製した。そして、飼料中の蛋白質・リン含量が市販飼料程度の通常飼料と日本飼養標準程度の標準飼料と低蛋白質低リン飼料の3種類の飼料を給与した場合の窒素・リン排泄量及び生産性について比較した(表1)。
- アミノ酸総量をへらイs他低蛋白質化飼料のアミノ酸バランスを改善するため、一部のアミノ酸(リジンとメチオニン)を飼養標準の120%程度まで添加することにより、通常飼料と比べ生産性に悪影響を与えることなく窒素排泄量が約30%減少した(図1)。
- 有限資源である鉱物性リン原料を少なく配合した低リン飼料(npP0.20%)のフィチン態リンの消化吸収を高めるため、フィターゼを0.1%資料に添加することにより、通常飼料と比べ生産性に悪影響を与えることなくリン排泄量が約30%減少した(図1)。
- 育成期の低蛋白質低リン飼料の給与により、増体等の低かがみられたが、その後の産卵性や経済性に影響は認められなかった(表2,表3)。
- 卵質についても低蛋白質低リン飼料の悪影響はなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- 飼料の低蛋白質低リン化により、飼料資源を節減できる。
- 飼料の低蛋白質低リン化により、単体アミノ酸やフィターゼの添加のコストアップは、避けることができる。
- 鶏ふん中の窒素・リン含量が低減することにより、鶏ふんの農地還元による環境への不か量を低減することが可能になる。
- 産卵期に低蛋白質飼料(CP14%)を給与すると、産卵前期の卵重がやや軽くなる傾向があるので、産卵初期にはCP水準を高くすることが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
経営管理
コスト
鶏
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