特定JAS規格に対応した肉用奥美濃古地鶏の開発

タイトル 特定JAS規格に対応した肉用奥美濃古地鶏の開発
担当機関 岐阜県畜産研究所
研究期間 2000~2003
研究担当者
発行年度 2000
要約 岐阜地鶏を再交配して在来種血液百分率を高めた雄から作出した新しい肉用奥美濃古地鶏は現行型のものより4%程度体重の減少が見られる。しかし、飼料要求率、肉質、食味等について大きな差は認められず、特定JAS規格をクリアーする肉養鶏として県内への普及を図る。
背景・ねらい 平成4年3月に作出した肉用の「奥美濃古地鶏」は、岐阜地鶏を雄系とする三元交配鶏であり、消費者からは「新鮮」、「歯ごたえがよい」、「なつかしい味がする」と好評で、生産羽数は平成10年度に20万羽の大台に達し、岐阜県のブランド畜産物として順調に成長している。地鶏肉の生産方法等について平成11年7月に「地鶏肉の日本農林規格」(特定JAS)が制定され、現行型の肉用奥美濃古地鶏では「在来種由来血液50%以上」という基準に至らず、ブランド化の推進に大きな障害となることが予測されるため、岐阜地鶏を改良素材に用いて作出した雄系(GMB)に岐阜地鶏を再交配して在来種の血液百分率を高める方法により特定JAS対応型の肉用奥美濃古地鶏を開発する。
成果の内容・特徴 雄雌各区30羽を供試し、12週齢までの飼育試験とともに89日齢時にと殺解体して産肉性等についての比較検討を行った。
  1. 岐阜地鶏をGMBに再度交配して作出したGMBIIを雄系に用いた肉用奥美濃古地鶏では在来種由来血液百分率が54.0%となり、特定JAS基準値をクリアーした(図1)。
  2. 小駆の岐阜地鶏を再度交配して作出したGMBIIを雄に用いた特定JAS対応型の体重は、現行型と比較して統計的に有意な差は認められず、雄雌平均体重では約4%程度低下するという発育パターンが認められた(表1)。
  3. 飼料要求率、解体成績、肉色、破断応力値については両区に大きな差は認められなかった(表2)。
  4. 雄もも肉の食味調査については、パネラーから両区とも「うまみがある」。「良くしまっていて歯応えがある」とする回答が多く、特に差がないものと判断された(表3)。
  5. 特定JAS対応型は、体重以外の項目で現行型となんら遜色のないものと判断された。
成果の活用面・留意点
  1. 特定JAS対応型の種鶏については、平成12年8月餌付け分から民間へ供給開始しており、平成13年の夏頃から特定JAS対応型が生産出荷される見込みである。
  2. 平成13年度より発育特性に適合した飼養管理技術の確立について研究着手する。
図表1 216290-1.gif
図表2 216290-2.gif
図表3 216290-3.gif
図表4 216290-4.gif
カテゴリ 飼育技術 出荷調整 良食味

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