タイトル |
おろし用辛味大根及び漬け物用に適した戸隠大根新品種「長・野交24号」 |
担当機関 |
長野県野菜花き試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
戸隠大根「長・野交24号」は、戸隠地大根を選抜してF1 品種化したもので、在来品種に比べて揃いがよく、生育も旺盛なことから商品性が高く、漬け物用、及び青果のおろし用辛味大根として有望である。
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背景・ねらい |
「戸隠地大根」は「上野大根」とも呼ばれ、戸隠村上野地区を中心に栽培されてきた地大根である。この「戸隠地大根」は長い間生産者によって自家採種されている固定種で、形状や生育にばらつきが大きく、漬け大根としての商品性が低く、産地からの改善要望が強い。そこで、形質の均質化、とくに形状が揃ったF1 品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成の経過
平成7年から現地で「戸隠地大根」の根長、根茎、根重等の特性調査を行い優良個体を選抜した。平成8年から選抜系統の特性検定、自殖世代の更新、自家不和合性の検定を行い、平成9年からF1組合せ能力検定と辛味値等の調査を行った。平成10年に特性検定試験及び現地適応性試験を行い、ほぼ育種目標に近い自家不和合性を利用した一代交配種が得られたので、「長・野交24号」の系統名を付し、平成11年3月「戸隠おろし」の名称で品種登録出願した。
- 育成品種の特性
1)「長・野交24号」は、やや早生で、根長、根径、根重等の均質性が優れ、可販率が高く、多収性で、地下部の形状はやや下膨れで、尻づまり型である(表1、表2)。 2)辛味程度は、広く栽培されている「耐病総太り」より辛く、「長・野交24号」の辛味値は在来種とほぼ同じ値で、辛味大根としても流通が期待できる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 晩抽性は低く、ウイルス病に強くないので秋~初冬どりの作型に導入する。
- 栽培は「戸隠地大根」に準じるが、肥大性が優れ在来種より5~7日程度生育が早く、すが入りやすいので、収穫適期を逸しないようにする。
- 種子は長野県原種センターが配布業務を行い、会員に配布される。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
自家採種
新品種
多収性
品種
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