古紙の畜舎敷料資材としての利用

タイトル 古紙の畜舎敷料資材としての利用
担当機関 静岡畜試
研究期間 1999~2001
研究担当者 遠藤恭延*(*富士工業技術センター)
芹澤駿治
山下里恵*
神尾泰宏
村松重緒*
大島貢
池田博保
藤井信吾
日吉公男*
発行年度 2001
要約 古紙は吸水性に優れ、かさ比重も小さいが、古紙だけの敷料利用では泥ねい化し紙粘土状態になるため、他の資材との混合利用が適している。入手可能な資材の中では、復元性やクッション性を考えると籾殻がよく、古紙との混合割合は重量比で籾殻1に対し古紙2程度が、堆肥発酵状況から見て最適である。
キーワード 古紙、敷料、籾殻、堆肥
背景・ねらい 牛舎敷料や堆肥化の際の水分調整資材として、オガクズが広く利用されているが、近年不足気味でありオガクズに代わる敷料資材の開発が求められている。そこで、解繊処理した原料の異なる4種類の古紙を供試し、重金属含有量から見た適性と敷料資材としての特性及び利用方法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 各種古紙に含まれる重金属含量は溶出試験の結果基準値以下であり、牛舎敷料として利用することは可能である(表1)。
  2. 古紙の種類別では、重金属含量に大きな差はない(表1)。
  3. 紙の繊維を解きほぐす粉砕方法(山本百馬製シュレッダー)で解繊処理した古紙は、籾殻等の敷料候補資材に比べ吸水性に優れかさ比重も小さい(表2)。
  4. 有機物の分画では、籾殻はオガクズや古紙に比べへミセルロース主体分画が多く、易分解性有機物も多い(表2)。
  5. 古紙単体での牛舎敷料利用は、肉牛房に古紙を敷き観察した結果、泥ねい化し紙粘土状に固まるため、他資材との混合利用が適している。
  6. 混合利用する資材としては、静的圧縮試験法(JISZ0234)によるクッション性・復元性(図1)を考えると、籾殻が復元性が高く空隙の確保に優れており、古紙の特性を補完する資材として適している。
  7. 小型堆肥発酵試験器を供いた堆肥化試験(OA古紙を供試)により検討した結果、籾殻と古紙を混合した区はオガクズ区に比べ最高温度が高くなる。籾殻と古紙の混合割合は、重量比で古紙2:籾殻1程度が3週目になっても発酵温度も高く、切返し時の水分調整程度が古紙1:籾殻1区より優れており適してる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 古紙の敷料資材としての特性を生かすには、裁断方法として解繊処理することが望ましい。
  2. 実際の利用に際しては、古紙単体での利用でなく籾殻やオガクズと混合利用することが適している。
  3. 古紙混合堆肥を土壌中に連続施用した場合の重金属の蓄積については、さらに検討が必要と考えられる。
  4. 経済性をオガクズ11.3円/kg、流通している古紙32.0円/kg、(25.0円/kg+送料7.0円/kg)、籾殻無料と設定し、堆肥化混合試験の利用率で試算すると、生ふん1tを水分調整するのに、オガクズ区では4,920円、古紙1:籾殻1区では4,160円、古紙2:籾殻1区では5,520円となり、オガクズと同程度での利用が可能である。

図表1 216456-1.gif
図表2 216456-2.gif
図表3 216456-3.gif
図表4 216456-4.gif
カテゴリ 肉牛

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