タイトル |
腐植酸の堆肥添加時の抑臭効果と堆肥成分の変化 |
担当機関 |
静岡県中小家畜試験場 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
関哲夫
中村美穂
野町太朗
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発行年度 |
2001 |
要約 |
腐植酸添加亜炭を豚ふんに添加し密閉容器内に置くと、アンモニア濃度は無添加より低く推移するが、その他の臭気物質については差が認められない。[キ-ワ-ド]
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背景・ねらい |
畜産において悪臭対策は大きな問題の一つであるが、抜本的な解決方法は未だ無い。未利用資源である間伐材を炭化し、腐植酸を添加した亜炭はアンモニアを押さえる効果があり、抑臭費用の軽減も見込まれる。そこで今回は、腐植酸が含まれ、炭の効能も併せ持つ亜炭添加による脱臭効果および堆肥化過程での有用性について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 試験1(抑臭効果調査)
- 10リットルの密閉容器内に豚ふん1Kg(水分75.5%)を入れ腐植酸添加製剤を現物に対し3%・5%の添加を行い、無添加のものと共に10日間パイプハウス内に置き、1日1回検知管によるアンモニアの測定、10日目に低級脂肪酸、硫黄系化合物を測定した。
- アンモニア濃度は無添加の場合に比べ、低く推移し、3%添加と5%添加の差は少ない。
- 低級脂肪酸類および硫黄化合物類では差は認められない。
- 試験2(堆肥化への影響調査)
- 小型堆肥化装置を用い、添加剤の堆肥化に及ぼす影響および堆肥化過程で発生する臭気に対する抑臭効果について検討をした。
- 試験は10リットル規模の小型堆肥化装置を用い、500ml/hの通気を行い、週に1度の切り返しを行い、品温については試験開始より20日目まで、アンモニアについては検知管により30日目まで1日1回の測定をした。
- 堆肥化における醗酵温度のピ-クの時期は、無添加・3%添加・5%添加の順にそのピ-クが遅くなる傾向がある(図2)。
- 堆肥化過程におけるアンモニアの発生は添加剤によって抑制される傾向にあり、とくに5%添加で効果が大きい(図3)。
- 試験開始1ヶ月後の堆肥成分では添加剤の使用量が増すに従って窒素成分が多くなる傾向にある(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- アンモニアの発生に関しては抑制傾向が認められるが、その他の臭気物質に対しては特に効果は認められないので、嫌気条件が生じるような管理は避けたうえで使用する。
- 堆肥化への影響調査では、試験区でのアンモニアの発生は試験開始10日後より上昇傾向となる。これが添加剤の効果の減少によるのか、醗酵の後れによるのかについて は今後の検討を要する。
- 試験開始後2ヵ月後の堆肥成分では、添加剤を使用した場合、アンモニア態窒素の含有量が増加する傾向にある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
豚
未利用資源
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