汎用孵卵機を用いたダチョウの人工孵化技術

タイトル 汎用孵卵機を用いたダチョウの人工孵化技術
担当機関 長野畜試
研究期間 1998~2001
研究担当者 原雄一
松森英雄
水流正裕
毛利重徳
発行年度 2001
要約 汎用孵卵機を用い、孵卵温度36.1℃、相対湿度を孵卵時30%孵化時40%、転卵頻度を24回/日に設定して人工孵化を試みたところ、対有精卵孵化率85.4%と良好な孵化成績を得た。
キーワード ダチョウ、人工孵化、孵卵条件
背景・ねらい ダチョウは、環境に対する適応性が高く草資源等の利用が出来、経済的価値が高いとされ、近年各地に導入されている。しかし、我が国におけるダチョウに関する研究は緒に着いたばかりでほとんど報告は見あたらない。チョウの人工孵化は、ダチョウの家畜としての可能性を検討する上で基本的な課題である。そこで、ダチョウの種卵を各地から導入して人工孵化を試み人工孵化技術の確立を図る。
成果の内容・特徴
  1. 国内及び南アフリカ共和国からダチョウ(アフリカンブラック種)種卵78個を導入し12回の人工孵化試験を行った。種卵の貯卵期間、貯卵条件等は不明、種卵の当場までの輸送は、国内は低温宅配便、海外からは通常の航空便によった。
  2. 孵卵機は小型汎用孵卵機及びダチョウ専用卵枠を使用した。
  3. 孵卵条件:入卵方法は卵枠の構造上水平(卵を横置き)とした。孵卵機内温度は36.0~36.2℃(設定温度36.1℃)、湿度は孵卵時30%孵化時40%、転卵頻度は24回/日とした。これらの条件は海外等の文献を参考に孵卵機の機能を考慮して設定した。湿度は、エアコンを用いて孵卵室を10~20%に除湿した後、孵卵機内を加湿して設
    定湿度とした。また、孵卵室内の設定温度は25℃とした。なお、本来なら孵卵条件を複数設定しての検討が必要であるが、最初の孵卵試験から比較的良好な結果が得られたこと、雛を早急に必要としたこと及び経費の都合から複数条件での試験は行わなかった。
  4. 人工孵化成績は表1のとおりで、供試卵の有精卵率は52.6%、対有精卵孵化率は85.4%であった。
  5. 孵化は自然状態で行われ、人的介助は必要としなかった。孵卵日数は42日を中心に前後2日の間であった(図1)。
  6. 対有精卵孵化率、孵卵日数とも良好な成績であり、孵卵環境は概ね適当であったと判断される。
成果の活用面・留意点
  1. この技術は、汎用孵卵機のある施設でダチョウの人工孵化を試みる場合有効である。
  2. 孵卵機内の湿度コントロールは、エアコン又は除湿器を用いてあらかじめ孵卵室を低湿度にしておくと容易である。
図表1 216503-1.gif
図表2 216503-2.gif
カテゴリ ダチョウ 輸送

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