かき「三社」の果頂部軟化軽減のための葉色基準

タイトル かき「三社」の果頂部軟化軽減のための葉色基準
担当機関 富山農技セ
研究期間 1997~2001
研究担当者 河崎 進
河村 健
発行年度 2001
要約 「三社」において加工適正の高いヘタ部果皮色指数4まで成熟させても、果頂部軟化しにくい果実を生産できる葉色基準は10月上旬のSPAD値が50~52程度である。
キーワード かき「三社」、葉色、果頂部軟化
背景・ねらい 「三社」は干し柿の色合い、食味等の品質からヘタ部果皮色指数(農水省作成カラーチャート値)4.0程度が収穫適期とされている。しかし、果頂部軟化に起因する干し柿の果頂部欠損が発生しやすく、現地では果頂部軟化を避けるためヘタ部果皮色指数が4.0に満たないうちに果実が収穫され、干し柿の品質低下の一因となっている。果頂部軟化の発生の多少は、気象条件、病害の有無、樹の栄養状態等により左右される。ここでは樹の栄養状態(新梢長、葉色、葉の大きさ)と果頂部軟化の発生について検討し、軽減方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 9月以降の葉色と収穫時の果皮色との間では、10月上旬の葉色でもっとも高い相関が見られる。葉色は結果枝30本の中位葉2枚で、1枚に2カ所測定する。(表1)。
  2. ヘタ部果皮色指数4.0を基準に収穫した場合、葉色が濃くなるほど収穫期が遅れる。SPAD値が47では収穫期が早まり、かつ、収穫期間も短くなる。SPAD値が54を越えると収穫期が大幅に遅れ収穫期間も長くなる(図1)。
  3. SPAD値が50より低い場合またはSPAD値が52より高い場合、果頂部軟化果の割合が高くなる(図2)。
  4. これらのことから、収穫期の遅れが少なく、果頂部軟化果の発生も軽減され高品質な干し柿を生産することができる10月の葉色はSPAD値50~52程度である。
成果の活用面・留意点
  1. 果頂部軟化の発生が多い「三社」園で、軽減方法として活用できる。
  2. 葉色が指標値より低い場合は取り遅れとならないよう収穫する。
  3. 次年度以降の葉色が指標値に近づくよう、施肥設計の見直しやせん定強度を加減する。

図表1 216530-1.gif
図表2 216530-2.gif
図表3 216530-3.gif
カテゴリ かき 加工 カラー 施肥 良食味

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