低収要因解明に基づく愛知県ダイズ作における収量改善策の効果

タイトル 低収要因解明に基づく愛知県ダイズ作における収量改善策の効果
担当機関 愛知農総試
研究期間 2001~2004
研究担当者 松家一夫
城田雅毅
谷俊男
池田彰弘
武井真理
籾井隆志
落合幾美
林元樹
濱田千裕
釋一郎
発行年度 2001
要約 愛知県西三河洪積台地におけるダイズ低収要因の改善技術を評価したところ、(1)肥効調節型肥料の中耕時施肥、(2)播種時のフタスジヒメハムシ防除、(3)生育期の心土破砕の効果が大きく、これらの導入により省力的に単収240kg/10aを実現できる可能性がある。
キーワード ダイズ、改善技術評価、肥効調節型肥料、フタスジヒメハムシ防除、生育期心土破砕
背景・ねらい ダイズ単収が140kg/10aと極めて低収な愛知県で「本作化」に対応するダイズ作を実現するため、主要作地帯の西三河洪積台地における低収要因(2000年度成果情報)に対する改善技術を大規模・実証的に開発・評価し、本県に特徴的な大規模栽培において省力性を損なうことなく平均単収240kg/10aを実現する。
成果の内容・特徴
  1. 播種時の砕土を十分に行うことにより収量が改善されるが、作業能率が低下するため大規模ダイズ作への適用が難しく、天候により十分な作業精度を得ることが困難な場合もある。
  2. 播種期を6月中旬まで前進することによる増収効果は小さく、コムギ収穫作業との競合を考慮すると播種期前進を積極的に導入する意義は小さい。
  3. 幼虫が根粒を摂食するフタスジヒメハムシのエチルチオメトン剤・播種溝条施による防除が収量改善に及ぼす効果は非常に大きい。条施は播種機に装着された施肥装置を利用し簡易に導入でき、当該地域の基幹技術になりうる。本害虫はダイズ作付け面積の増加に伴い、当該地域に広く発生している。
  4. ダイズ栽培において肥効が大きい「開花期追肥」を簡易に実現できる肥効調節型肥料(LPS40)の中耕時施肥が収量改善に及ぼす効果は非常に大きく、高価な肥料価格を考慮しても導入効果が大きい。
  5. 大規模ダイズ作では能率追求のあまり精度の高い中耕培土作業が行われていない。作業速度を減速し、砕土に留意すると培土高さが確保され収量改善に有効である。しかし、能率低下は適期内の作業を困難にする上、天候が精度に及ぼす影響も大きいことから積極的に導入する意義は小さい。
  6. 強粘質の細粒黄色土に覆われる当該地域では、ダイズ根系の発達不良が低収要因の一つになっている。サブソイラを中耕期に中耕培土の代わりに条間に処理することにより(生育期心土破砕)、根系の発達が助長され収量改善に非常に有効である。また、サブソイラ施工は中耕培土作業に比べ能率が高く極めて省力的である。
  7. 改善技術の導入効果を当該地域の大規模省力栽培への導入を前提に評価すると、(1)フタスジヒメハムシ防除>(2)中耕時肥効調節型肥料施肥=(2)生育期心土破砕>(4)播種時砕土の順に推奨される。
成果の活用面・留意点
  1. 改善技術の具体的内容については、別報の2001年度成果情報を参照する。
  2. 本情報は単要因の比較試験に基づいており、複数の改善技術を導入した場合の効果は未検討である。
カテゴリ 肥料 病害虫 害虫 施肥 大豆 低収要因分析 播種 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる