タイトル | ロールベーラ用尿素添加装置を活用した飼料イネのサイレージ調整 |
---|---|
担当機関 | 埼玉農研究セ |
研究期間 | 2001~2001 |
研究担当者 |
岡部富雄 吉田宣夫 現 山井英喜 春日政夫 青山達也 石田元彦(畜産草地研究所飼料生産利用部 増山忠良(埼玉県農業経営課) 同企画調整部) |
発行年度 | 2002 |
要約 | ロールベーラ用尿素添加装置を開発して、既存の牧草用ロールベーラに装着することにより、予乾飼料イネが安定品質で省力・低コストのサイレージ調製技術が構築される。 |
キーワード | 飼料イネ、ロールベールサイレージ、尿素添加装置、品質保持 |
背景・ねらい | 飼料イネの生産現場では、梱包後の品質不安定性、茎葉部消化性や採食量低下などが起きている。そこで、これらの問題を解決するため、圃場においてロールベール成形・収穫時に尿素液を添加する装置を開発・改良し、安全かつ低コストで品質保持、飼料価値の高い飼料イネホールクロップサイレージの省力的調製技術を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 予乾ロールベールサイレージ体系に適合するロールベーラ積載型の尿素添加装置を開発・改良し、大規模処理に対応する尿素液供給システムの確立、既往のアンモニア処理、予乾ロールベールサイレージ調製との作業時間及び資材コストの比較検討、ラップ前ロールの品質維持、飼料価値改善について検討を行う。 1. ウィンドロウの集草・梱包と同時に尿素液添加を行うロールベーラ積載型連続添加装置の開発を行った。装置は(1)尿素液散布・停止のワンマンコントロール、(2)散布量の制御、(3)尿素液の搬送システム、さらに飼料イネへの均一な尿素液散布を図るためロールベーラチャンバー内に第3散布筒を装着する(図1,2,3)。尿素液は重量比で尿素と水の比率を1:2とし、33%溶液とする。この時、温水を使うと溶解が早くなる。 2. ラップ前の梱包温度は現物当たり尿素1%添加によって3日間、同2%添加ではそれ以降も急激な温度上昇はなく、ラップ作業が遅れても好気発酵を抑制することができる(図4)。1年間貯蔵したサイレージでもカビ発生はほとんどなく、品質は安定する。尿素1%処理によって、見かけのCP含量2.2~3.0%、推定のTDN含量2.9~3.6%改善される(表1)。 3. 既往のアンモニア処理と比較して10a当たりの作業時間は10分56秒短縮され、通常のラップサイレージ体系とほぼ同程度となり、処理に必要な資材費も下げることができる(図5)。 4. 飼料イネ8haを使って尿素処理したが、既往のアンモニア処理と比較して作業時間の縮減、資材費のコストダウンができることから、酪農家集団の高い評価を得ている。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ロールベーラ積載型の尿素添加装置は、材料費12~15万円で農家による手作りができる。 2. 既存の牧草用機械類を使用できるが、刈取り後の反転・予乾を極力少なくすると、籾の脱落による飼料価値の低下を防ぐことができる。 3. 稲わら、大麦わらの尿素処理に使用できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
図表6 | |
カテゴリ | 大麦 コスト サイレージ調製 低コスト 乳牛 品質保持 |