チャ大区画ほ場での乗用型茶園管理機導入による省力効果

タイトル チャ大区画ほ場での乗用型茶園管理機導入による省力効果
担当機関 静岡茶試
研究期間 1998~2002
研究担当者 後藤昇一
山本淳史
発行年度 2002
要約 大区画ほ場(50a、うね長100m)でのチャの摘採や防除、整枝、中耕等の作業時間は、乗用型の摘採機や防除機、施肥・深耕機等を用いることにより慣行の可搬型摘採機を中心とした体系の34~92%で行える。
キーワード チャ、乗用型茶園管理機、省力化
背景・ねらい 茶園管理の省力、軽作業化を図るためには、基盤整備とともに機械化を推進することが重要である。そこで、乗用型茶園管理機での茶園管理に適すると考えられる大区画ほ場において、乗用型茶園管理機の作業時間とこれら管理機を主体とした管理作業に要する時間を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
摘採作業時間は、摘採した新芽を吹き上げてからバケットに収容する乗用型摘採機(バッ
ケット式)では10a当たり45分、摘採した新芽を吹き上げずに後部の茶袋に収容する小型乗用摘採機では60分程度を要し、それぞれ可搬型摘採機で行う場合の34%と46~48%である(表2)。小型乗用が乗用型(バケット式)に比べ時間を要するのは、茶袋の収容量が20kg程度であるため、途中で茶袋を交換し、新芽を収容した茶袋を摘採機上部へ積み上げるのに時間がかかるためで、これらの時間は収量が多くなると増える。
2.
整枝作業時間は、乗用型では、一番茶後の整枝で10a当たり32分、秋整枝で45分程度を
要し、それぞれ可搬型整枝機で行う場合の51%と62%である(表2)。
3.
浅刈り(深さ10cm)作業時間は、乗用型では10a当たり73分で、可搬型せん枝機で行う場合の56%である(表2)。
4.
防除作業時間は、乗用型では10a当たり20分で、動力噴霧機を用い手散布で行う場合の45%である(表2)。
5.
中耕作業時間は、乗用型では10a当たり32分で、歩行型中耕機で行う場合の92%である(表2)。
6.
慣行の可搬型摘採機を中心とした体系では2人で行う作業が多かったが、試験で用いた乗用型茶園管理機は1人でも作業が可能であり、担い手不足の解消にも役立つと期待される。
7.
大区画ほ場での茶園管理作業は、定植2年目までは、乗用型茶園管理機による作業が困難な除草や土づくり、仕立てのためのせん枝作業に時間を要することや、防除を手散布で行うため年間の管理作業時間が多くかかる。しかし、定植3年目以降は、乗用型の摘採機や防除機、施肥・深耕機を用いることにより摘採、整・せん枝、防除、耕起作業が省力化され、10a当たりの年間管理作業時間は50~60時間でできる(図1)。
成果の活用面・留意点 1.
茶園の基盤整備、管理作業の機械化を推進する上での参考資料とする。
2.
試験に用いた乗用型茶園管理機は1人での作業が可能で、担い手不足の解消にも役立つと期(表2)。待される。。
3.
本試験は、うねの両側に枕地と農道を備えたうね長100mの50a区画ほ場で調査を行ったものであり、ほ場条件が変われば作業時間も異なってくると思われるので注意する。
4.
乗用型茶園管理機は慣行の可搬型摘採機を中心とした体系で用いられる管理機に比べ価格が高く、導入に当たっては機械の能力にあった適正規模の茶園確保に努める必要がある。
図表1 216896-1.gif
図表2 216896-2.gif
図表3 216896-3.gif
カテゴリ 土づくり 病害虫 機械化 栽培技術 省力化 除草 施肥 防除

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