タイトル | 輪換畑における浅層暗渠の排水効果 |
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担当機関 | 茨城農総合セ農研 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
日下勝博 池羽正晴 福田弥生 塚本心一郎 狩野幹夫 茂垣慶一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ドレンレイヤー工法による浅層暗渠は、従来のトレンチャ工法による暗渠に比べ省力、低コストに施工でき、降雨後の地下水位の低下が早く、小麦及び大豆の安定生産ができる。 |
キーワード | 浅層暗渠、ドレンレイヤー工法、地下水位、小麦、大豆 |
背景・ねらい | 近年、米価は生産過剰により低迷しており、生産調整がさらに強化されてきている。しかし、低湿地帯では排水不良に起因して転作作物の収量、品質が阻害されているのが現状である。そこで、低コストで排水性の高い暗渠排水技術を確立し、輪換畑における畑作物の安定生産を図ろうとした。 |
成果の内容・特徴 | 1. ドレンレイヤー工法による浅層暗渠の施工は、従来のトレンチャによる施工法より、省力、低コストである(表1)。 2. 降雨後の地下水位は浅層暗渠が従来暗渠より地表面から作土層にかけて早く低下する(図1)。この要因は本暗渠が密に施工されていることと、浅層暗渠圃場の水の下方浸透能力が従来暗渠の2倍程度であったことから、浅層暗渠施工により透水性が改善するためと考えられる(図2)。 3. 浅層暗渠施工圃場における大豆の収量は、従来暗渠と同等であるが、干ばつ傾向の年次に増収効果がみらる。増収要因は開花期から最大繁茂期にかけて、浅層暗渠施工圃場の地下水位が、従来暗渠より高く経過するため、適度な土壌水分が保持され、稔実莢数の増大に起因するものと思われる(表2、データ省略)。 4. 浅層暗渠施工圃場における小麦の収量の特徴は、暗渠側近部でやや減収する傾向がみられるが、収量は暗渠による差は見られない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ドレンレイヤー工法とは、レーザー制御により削耕部分で土を押し広げながら、疎水材と吸水管を自動埋設する工法である。 2. 従来暗渠が田面下60~80cmに1/500勾配の本暗渠を長辺方向へ10m間隔に施工した暗渠であるのに対し、浅層暗渠とは、田面下50cmに無勾配の本暗渠を長辺方向へ5m間隔に施工した暗渠である。 3. 暗渠施工後2.5年間の輪換畑期間のデータである。そのため、水田復元後に再び輪換畑に戻した場合の排水効果については未検討である。 4. 排水路の水位は排水口からの逆流を防ぐため常時50cm以下に維持する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 小麦 水田 大豆 低コスト 排水性 |