マーガレットとハナワギク、シュンギクとの属間雑種

タイトル マーガレットとハナワギク、シュンギクとの属間雑種
担当機関 南伊豆分場
研究期間 1997~2001
研究担当者 大塚寿夫
稲葉善太郎(静岡農試)
発行年度 2002
要約 胚珠培養によりマーガレットとハナワギク、シュンギクとの属間雑種個体を作出した。初めて作出したハナワギクとの雑種個体は花色等に従来のマーガレットにはない特性を有しており、新品種、育種素材としての利用が期待できる。
キーワード 胚珠培養、属間雑種、交雑育種、マーガレット、ハナワギク、シュンギク
背景・ねらい マーガレットは本県特産花き品目であり、切花や鉢物用として利用されている。しかし、鉢物では白花品種の栽培が中心で栽培品種数は少く、品種のバラエティの幅も小さい。市場における産地の優位性を維持するためには多様性に富む特徴あるオリジナル品種の開発が有効である。そこで、胚培養によりマーガレットと近縁属植物との雑種を作出し、新しいタイプのマーガレット品種や育種素材を育成する。
成果の内容・特徴 1.
マーガレット×ハナワギク、マーガレット×シュンギクの通常交配のみでは発芽種子は得られない(表1)。
2.
マーガレット×ハナワギク、マーガレット×シュンギクの交配後約2~3週間後の胚珠を1/2MS培地で培養すると低率ではあるが発芽個体を得ることができる(表1)。
3.
マーガレットとクリサンセマム・パルドーサム、クリサンセマム・ムルチコーレ、ローダンセ、スワンリバーデージーの4種を花粉親とした交配では胚珠培養を行っても発芽個体は全く得られない(表1)。
4.
ハナワギク、シュンギクとの交雑稔性程度は母本とするマーガレットの品種・系統によって異なる(表2)。
5.
ハナワギクとの交雑個体の生育は緩慢なものが多く、順化・鉢上げできるのは発芽個体の30%程度である。シュンギクとの交雑個体では70%程度である(表2)。
6.
ハナワギクとの交雑個体の花色は赤茶、オレンジ、桃、黄および淡桃・花弁基部が濃色の複色花とバラエティに富む(図1)。5株中4株は花粉を生成しない。草勢は母本よりも強い個体が多く、葉片の形態はハナワギクに近い。生態的には周年連続して開花する両親にはない特性を有する個体もある(図2)。
7.
シュンギクとの交雑個体の花色は全株白色で花弁基部が淡黄色を帯びる個体もある。花径は母本よりも大きく、花粉は一部の個体で生成する。分枝は少なく、樹勢は強い個体が多い。開花はシュンギク同様に春期が盛期の個体が多く、連続開花性はない。
8.
形態、生態的特徴からこれらの交雑個体はいずれも属間雑種個体と判定した。
成果の活用面・留意点 1.
ハナワギクとの雑種のうち、連続開花性を有する2個体は花壇、鉢物用としての利用が可能と思われる。
図表1 217037-1.gif
図表2 217037-2.gif
図表3 217037-3.gif
図表4 217037-4.gif
カテゴリ 育種 クリサンセマム しゅんぎく 新品種 デージー 品種 マーガレット

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