熟成堆肥と牧草種子混合による簡易更新技術に関する試験

タイトル 熟成堆肥と牧草種子混合による簡易更新技術に関する試験
担当機関 栃木県酪農試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 岸善明
菊池草一
金子恒夫
千枝健一
発行年度 2002
要約 放牧草地の牧養力を維持向上するため、熟成堆肥の肥効と覆土効果を狙い、堆肥に牧草種子を混合し、掃除刈り後に散布する不耕起簡易草地更新技術について検討した。
キーワード 熟成堆肥、覆土効果、不耕起草地更新
背景・ねらい 草地において基幹草種の衰退や裸地の発生により生産性が低下した場合には、省力的な簡易更新(追播)が有効とされる。しかし、耕起→播種→鎮圧の慣行法に比して、覆土不足により気象条件の影響が大きい。また、本県では初期生育の緩慢なオーチャードグラスを主体とした混播草地が多く、追播時の凍て上がりや雑草との競合が問題となっている。
そこで、放牧地における堆肥の有効活用を展開するにあたり、熟成堆肥と牧草種子を混合して播種し、堆肥による覆土効果を期待した不耕起簡易更新定着化技術について検討した。
成果の内容・特徴 1.
供試堆肥は、稲藁を副資材とする当育成牧場から産出された堆肥素材を、1ヶ月間隔で3回切り返した熟成堆肥で、比重0.6程度である。分析値は表1のとおり。
2.
堆肥の量は、5、7.5、10t/10aの3段階とし、化成肥料との組み合わせにより、A、B、C、D区を設け、9月下旬から11月上旬までの5段階の播種期処理を行なった(表2)。
草種はオーチャードグラス:4kg、ペレニアルライグラス:3kg、ケンタッキーブルーグラス:1kg、ハイブリットライグラス:3kg、シロクローバ:1kgの5草種を供試した(播種量は10a当たり換算)。
3.
初期出芽定着は全区ともに、10月播種区の成績が良く、11月播種区が悪く、10月播種区平均の15%にすぎなかった。播種時期による差は大きいが、堆肥量による試験区間の差は見られなかった(表3)。
4.
9/25、10/9、10/19播種区は雑草の侵入が少なく、牧草植被率が高かった。10/29 播種区は、越冬時に凍て上がりが見られ、生育の遅れとともに雑草の侵入により、牧草植被率が低下した。11/9播種区は越冬時の凍て上がりにより枯死し、3月になってから発芽した僅かな牧草植被となり、雑草が繁茂した。各播種期ともに堆肥量による試験区間の差は見られなかった(表4)。
成果の活用面・留意点 1.
牧草の密度や植被率が低下した草地の簡易更新に活用できる。
2.
草地更新間隔が短い牧区では、堆肥量が多いと土壌への加里の蓄積があるので、土壌診断をする必要がある。
図表1 217041-1.gif
図表2 217041-2.gif
図表3 217041-3.gif
図表4 217041-4.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 雑草 さやいんげん 土壌診断 播種

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