タイトル | 除草剤耐性遺伝子組換えイネ系統 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
井澤敏彦 坂紀邦 山根精一郎 神戸三智雄 中嶋泰則 辻孝子 藤晋一 柏原洋司 福田至朗 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 稲作の低コスト化を支援するため、「祭り晴」を用いて遺伝子組換えによるグリホサート耐性イネを作出し、形態特性、導入コピー数等により3系統を選抜した。これら組換えイネの導入遺伝子は後代で安定して発現し、形態特性、収量性等は「祭り晴」とほぼ同等である。 |
キーワード | 水稲、遺伝子組換え、除草剤耐性、遺伝子発現、生育特性 |
背景・ねらい | 稲作の低コスト化・規模拡大のためには直播等省力技術が極めて有効である。そこで直播栽培において問題となる雑草防除を合理化するため、遺伝子導入により除草剤グリホサート(ラウンドアップ)に対する耐性を付与した日本型イネ系統を作出し、諸特性を調査する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 液体振とう培養で得られた完熟胚由来カルスにパーティクルガン法で遺伝子導入を行い、グリホサート耐性を有する640個体が得られ、これらから形態特性、種子稔性、導入コピー数等により選抜した3系統は、遺伝子導入元となった「祭り晴」に類似する。 2. 導入遺伝子の存在についてサザンブロット分析を、導入遺伝子の発現についてELISA分析及びラウンドアップ散布による耐性調査を実施した結果、導入遺伝子はT1、T2世代で安定して維持・発現している(図1、図2)。 3. 隔離ほ場栽培において組換えイネ3系統は、出穂期、成熟期、全重、わら重、精籾重において非組換えイネとの間に統計的有意差は認められない(表1)。稈長、穂長、穂数、一穂籾数では、G2-70系統に統計的有意差を生じたが、その平均値は非組換えイネの変動範囲内である(表2)。 4. 観察による収穫時の草姿および収穫種子の形態について、非組換えイネとの間で相違は観察されないが、玄米品質においてG2-70系統では心白の発現が多く認められる。 5. 以上の結果から作出した組換えイネ3系統は、一部形質で非組換え体と統計的有意差が認められるが、その変異の幅は小さく、草姿、収量性および導入遺伝子の安定性に問題はないと考えられる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本研究によって液体振とう培養とパーティクルガン法で導入元となった「祭り晴」に極めて類似した系統が作出できたが、組換え作物の利用を図るには一層のPA推進が必要である。 2. 作出した系統において認められた微小な形質変異は、組織培養の過程において生じた培養変異によるものと考えられるが、交配後代における分離を確認する必要がある。 3. より詳細なサザン分析により遺伝子のゲノム上での存在状態を確認する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 規模拡大 雑草 直播栽培 除草剤 水稲 低コスト |