愛知県沖積土壌地帯における地下水位等がダイズ収量に及ぼす影響

タイトル 愛知県沖積土壌地帯における地下水位等がダイズ収量に及ぼす影響
担当機関 愛知農総試
研究期間 2001~2004
研究担当者 谷俊男
濱田千裕
池田彰弘
武井真理
落合幾美
釋一郎
船生岳人
林元樹
発行年度 2002
要約 西三河沖積地帯における低収要因は地下水位の高さと考えられていたが、収量レベルの高い海部沖積地帯と西三河沖積地帯の間には地下水位の差はなく、地下水位が低収の主要因ではない。しかし、冠水は収量を低下させ冠水の深さが収量を制限する。
キーワード ダイズ、沖積地帯、地下水位、冠水、収量
背景・ねらい 愛知県のダイズは主作地の西三河洪積地帯及び尾張と西三河の2つの沖積地帯で大規模に栽培されている。西三河沖積地帯は古くから栽培が行われているが、未だ収量が安定せず、低収事例が多くみられる。一方、近年作付けが拡大された尾張沖積地帯の海部地域は高位安定生産が行われている。この地域は水害対策の歴史が古くからあり、治水に対す意識が高く、このことがダイズ多収に寄与してると考えられていた。しかし、実際の地下水位は調査されておらず、沖積地帯の収量改善策を考えるうえで、地下水位の影響を明らかにすることは重要である。そこで、収量水準の異なる海部及び西三河沖積地帯の地下水位を大規模な現地試験において調査し、地下水位が収量に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
海部地域と西三河地域とも沖積地帯は少雨条件でも干ばつ害が少なく出芽、開花は順調で莢数は多くなる。しかし、西三河の岡崎地域、西尾地域の収量は同等であるが、海部地域の収量レベルは西三河地域に比べ高い(表1)。
2.
海部地域におけるダイズ栽培期間の地下水位の平均値は48±15cmで、湾岸部の西尾地域の43±9cmと同等であり、内陸部の岡崎地域78±10cmより高い。また、降雨により上昇した水位は、海部、西三河地域とも1日当たり5cm程度低下しており、同様の傾向を示している(図1、図2)。
3.
各生育ステージにおける地下水位の高さは西三河の岡崎地域と西尾地域で異なっているが収量は同等である。また、海部地域の地下水位は西尾地域と同程度であったが、収量は海部地域が高い(表1、図2)。
4.
地下水位と収量との間に関連は見られず、地下水位の高さは西三河沖積地帯の主な低収要因ではない(図2)。
5.
調査年(2002)の少雨条件においても、冠水したほ場がみられ、栽培期間中に複数回冠水したほ場は収量が低下していた。冠水と収量の関係は、2000年9月11日の東海豪雨後の調査で明らかで、災害として冠水が発生した場合には、冠水深が収量を制限している(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
2002年の少雨条件における結果であり、降水量等の気象条件を考慮していない。
2.
冠水による減収は、沖積、洪積に差はない。
3.
海部と西三河地域の収量差の発生要因について、今後、検討する必要がある。
図表1 217080-1.gif
図表2 217080-2.gif
図表3 217080-3.gif
図表4 217080-4.gif
カテゴリ 水害対策 大豆

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