タイトル | 簡易フリーストル牛舎を利用した繁殖和牛省力管理 |
---|---|
担当機関 | 茨城畜セ |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
茨田潔 笠井勝美 関正博 高橋覚志 小野圭司 矢口勝美 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 乳牛用の簡易フリーストール牛舎を繁殖和牛経営に応用すると、繁殖管理の作業時間短縮が実現できる。この牛舎は自家施工により低コストで設置することが可能である。 |
キーワード | 肉用牛、簡易フリーストール、飼養管理、自家施工 |
背景・ねらい | 子牛生産基盤を確保するためには、現存する和牛繁殖経営の維持拡大と、退職サラリーマン等の和牛繁殖経営への新規参入が望まれている。そこで省力的管理が可能で、かつ建設コストを下げるために、構造と施工法を簡略化したフリーストール牛舎施設を実証展示し、省力的な飼養管理技術の確立・普及を図ることを検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 簡易な構造の木造フリーストール牛舎(図1、飼養規模6頭、1頭当たり床面積9.5m2)は、ストール巾90~110cm、牛床端からネックレールまでの距離は165~175cmとすることにより和牛繁殖経営に利用することが可能である。成牛の馴致期間は、3週間を要する。 2. 管理労力は、繋ぎ及び単房方式と比較すると発情確認が容易になり、セルフロックスタンチョンを併用することで繁殖管理に係る作業時間(人工授精を含む)が短縮される(表1)。 3. フリーストール方式への適応性について調査したところ、ストールの1日1頭当りの利用時間は8.6時間(利用率は37.4%)である(給餌による拘束時間を除く)。時刻別の利用率は図2のとおりである。フリーストール牛舎に子牛用の給餌区画を設置し、親子同時に飼養したところ子牛の発育は対照区の子牛と比較して有意差は認められない(表2)。疾病については両区に下痢の発生がみられたが、哺乳・育成期間中の治療回数の差は認められない。親牛と子牛の1日1頭当たり利用時間(利用率)はそれぞれ11.0時間(45.7%)、13.2時間(55.0%)である。 4. 小規模農家を対象に既存のパドック等に3頭規模の屋根付ストール(3.42×2.5m、飼槽、飲水器、スタンチョン、床面コンクリート施工費を含まない)を設置した場合、経費の総額は160.6千円で1頭当たり53.5千円(m2当たり18.8千円)となり、組み立てに要した労働時間は、二人で12.3時間である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 自家施工が可能で建設コストが低減され、また増頭による建増しも容易にできるので、新規和牛繁殖経営体育成の一助になる。 2. 多頭飼育時における飼養管理技術、特に牛群管理、糞尿処理方法について更に検討が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 経営管理 コスト 飼育技術 低コスト 肉牛 乳牛 繁殖性改善 フロックス |