タイトル | 卵用鶏に対する給食残さ乾燥粉末の利用 |
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担当機関 | 静岡環境衛生研 |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
池谷守司 池谷昌久 前波清隆(静岡環衛研) 飯田 正(同)今川隆之(同) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 給食残渣乾燥粉末10%に市販の繊維分解酵素を0.1%添加して卵用鶏に給与すると、産卵成績には大きな差がなく飼料原料として利用できる。反面、卵殻強度がやや低下し、鶏糞の水分も上昇する。 |
背景・ねらい | 食品廃棄物の利用法がさまざまな観点から検討されているが、飼料としての利用は有効な手段と考えられる。そこで、卵用鶏の飼料中に給食残渣乾燥粉末と繊維分解酵素を添加して産卵や鶏糞水分等に及ぼす影響を調査する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 市販の配合飼料(CP17%、ME2,850Kcal/kg)中にみそ汁を濾し除いた食べ残しと厨房残渣を含む給食残渣乾燥粉末(以下渣残と略)を10%添加(残渣区)、残渣10%とセルラーゼを主体とする繊維分解酵素(以下酵素と略)0.1%を併用する区(残渣+酵素区)、酵素のみ0.1%添加する区(酵素区)と無添加の対照区を設けた。平成14年1月11日餌付けの市販の白レグコマーシャル360羽を用いて1区30羽3反復で8月1日から11月20日(203日齢から315日齢)の112日間飼育し、産卵成績と卵殻質、鶏糞水分に及ぼす影響を調査した。 2. 残渣のみ添加すると産卵率や飼料要求率が悪化するが、酵素と併用するとそれらを防止できる(表2)。 3. 残渣のみ添加すると卵殻強度や卵殻厚は低下するが、卵黄色は改善する。酵素と併用すると卵殻厚やハウユニットは改善する(表3)。 4. 残渣の製造は1回につき水分が約80%で50kgの原料を80℃で8時間かけて行い、設備費を除くコストは乾燥物1kg当たり136円、廃熱を利用すれば11円と試算された。 また、給与した場合、期間中一羽当たりの生産コストは前者(136円)の場合100円の増加、後者(11円)の場合は42.9円の節約となった。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 使用する残渣は作成場所や季節によって成分組成が異なることに留意する。 2. 残渣中の塩分は多くないが、添加すると鶏糞水分が増加する(図1)。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 コスト 鶏 |