ニホンナシ「幸水」成木園での窒素施肥方法と収量・窒素動態

タイトル ニホンナシ「幸水」成木園での窒素施肥方法と収量・窒素動態
担当機関 栽培部
研究期間 1998~2002
研究担当者 齋藤龍司
塩原孝
宮下純
泉克明
小川秀和
山西久夫
赤沼礼一
荻原保身
臼田彰
広間勝巳
発行年度 2002
要約 ニホンナシ「幸水」成木園において、溶出期間70日タイプの被覆肥料による年1回(9月)施肥は、窒素施肥の省力化に有効である。また、年4回分施での窒素増肥は、草生部窒素保有量と土壌無機態窒素量を増やすが、収量と品質の向上にはつながらない。
背景・ねらい ニホンナシ「幸水」は長野県の基幹品種であるが、近年樹齢の経過とともに収量が低下してきた。現地では樹勢回復のため窒素施肥量が増加しており、増肥による環境負荷も懸念される。長野県では、既に基肥(12月肥)を春~初夏にかけて分施した方が効率的であることを明らかにしており(2001年成果情報)、その分施の効果を得つつ施肥の省力化が求められている。
そこで、分施による年4回施肥、被覆肥料を利用した年1回施肥、窒素を増施した年4回施肥の3種類の施肥条件下(表1)で、ナシの樹体生育、収量と品質、土壌中窒素について検討する。
成果の内容・特徴 1.
年4回施肥により側枝密度は有意に増加し、樹体生育が良好になることが示された。また、満開40日後の葉中窒素含有率は、いずれの試験区においても適正値(3~3.2%)であった(表2)。
2.
収量と品質で試験区間に差がみられなかった(表2)。そのため、年1回施肥でも慣行施肥と遜色なく、また、窒素量を増やしても収量増には結びつかないと考えられた。
3.
草生部の窒素保有量は、施肥量が多いと高い傾向にあり、分施により低下した(表2)。
4.
土壌無機態窒素の推移は、年4回増肥区が最も高く推移し、年1回区は年4回区と同様の推移をした(図1)。また、年4回区の分施後の4月、7月の窒素は年4回増肥区より小さく、1回当たりN3kg/10aの施肥量では土壌の無機態窒素量は大きく増加しなかった。
成果の活用面・留意点 1.
窒素量は、地域の施肥基準を参考にする。
2.
年1回施肥法での被覆肥料の施用時期は、9月の礼肥時期として遅れないように施用する。被覆尿素の溶出タイプは本試験では70日としたが、温暖地で冬季の地温が高い場合には、100日タイプの選択も考える。
図表1 217143-1.gif
図表2 217143-2.gif
図表3 217143-3.gif
カテゴリ 肥料 樹勢回復 省力化 施肥 品種

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