家畜ふん堆肥化における未利用木質資源の副資材適性

タイトル 家畜ふん堆肥化における未利用木質資源の副資材適性
担当機関 富山畜試
研究期間 2000~2003
研究担当者 蓮沼俊哉
大川内康郎
高橋理平(林技セ木材試)
岡山清司(農技セ農試)
丸山富美子
発行年度 2003
要約 家畜ふんと林地残材、加工廃材およびダム流木の各々の粉砕物を容積比2:1で混合したものは、20週間堆肥化すると、易分解性有機物残存率がオガクズと同様に減少する。その堆肥は、作物の生育に対する阻害性が無い。
キーワード 家畜ふん尿、堆肥化副資材、林地残材、加工廃材、ダム流木、生育阻害
背景・ねらい 家畜ふんの良質堆肥生産には、水分調整に用いるオガクズやモミガラ等の副資材が不可欠であるが、季節的な供給量の変動や近年の住宅建築需要低迷等により、その安定的入手が困難となってきている。一方、スギ伐採時に発生する枝、葉等の林地残材や、加工時に発生する廃材、さらには発電用ダムに滞留する流木の利活用が課題になっている。そこで、家畜ふん堆肥化副資材として、これらの未利用木質資源(粉砕加工され入手可能なもの)を用いた場合の発酵特性や製品堆肥についてオガクズと比較検討する。
成果の内容・特徴 1.
林地残材および加工廃材の粉砕物には細長い形状のものが多く含まれ、ダム流木の粉砕物はオガクズ状である(図1)。
2.
いずれの材料もオガクズに比較して水分含量及び容積重が高いが、乳牛ふんと各資材を容積比2:1で混合すれば、堆肥化開始時に通気性が発現する水分および容積重になる(表1)。
3.
牛ふんと各資材との混合物は、いずれも堆積物温度が60℃以上になり良好な発酵をする(図2)。
4.
牛ふんと各資材とを混合した堆積物は、堆肥化期間に影響する炭素/窒素比、アンモニア態窒素および易分解性有機物残存率がオガクズと同様に変化するので、既存施設で堆肥化が可能である(表1)。
5.
木質資材として作物の生育を阻害する水溶性フェノール含量は、堆肥化20週後に開始時の30%以下に減少し、堆肥を施用したコマツナの生育にも障害がない(表1、表2)。
成果の活用面・留意点 1.
林地残材、加工廃材およびダム流木の粉砕物の参考価格は、それぞれ300~500円/m3に比べ低価格もしくは同程度である。
2.
各資材の県内の年間発生量は、林地残材7,900t、加工廃材1,700t、ダム流木4,300tで、発生時期は、加工廃材が年間を通して発生し、林地残材およびダム流木は冬期間の発生は僅かである。これらは3箇所の施設で粉砕できる。
3.
林地残材等の堆肥化副資材としての利用に際しては、林業・畜産・耕種の連携が重要である。
図表1 217217-1.jpg
図表2 217217-2.gif
図表3 217217-3.gif
図表4 217217-4.gif
カテゴリ 加工 こまつな 乳牛

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