牛舎尿汚水の簡易液肥化技術

タイトル 牛舎尿汚水の簡易液肥化技術
担当機関 埼玉畜研
研究期間 2001~2004
研究担当者 松本竹男
発行年度 2003
要約 濾過槽(攪拌及び通気装置付き)に、オガクズを濾過資材として充填し、牛舎尿汚水を濾過するとSS、BOD等の汚濁物質が高率に除去できる。さらに濾液を一週間程度曝気処理することで、臭気を抑制した液肥が生産できる。
キーワード 家畜ふん尿、環境保全、牛舎尿汚水、曝気、液肥、抑臭
背景・ねらい 畜産環境問題は、畜産農家の経営存続に大きく影響し、特に牛舎汚水は、貯留後直接ほ場に還元されることが多く、簡易な処理方法の組み立てが望まれる。このような現状を踏まえ、この解決手段として、簡易濾過装置と曝気装置を組み合わせ、低コストな液肥化処理方法について検討する。
成果の内容・特徴 1.
簡易液肥化装置は、濾過装置(大きさ:幅1.8m×奥行き3.2m×深さ1.5m)と曝気槽(FRP製で10m3 )で構成されている。運転は1日当たり搾乳牛の尿汚水(つなぎ式・バーンクリーナ除ふん方式)を800L濾過(2cm/sec)し、その濾液3.5~6m写真1)。
2.
濾過による汚濁物質の除去率は濾過初期には低く推移するが、濾過回数の増加とともに向上する。特にSS・BODの汚濁物質の除去率が顕著で、SSは67.1~80.3%、BODでは71.0~88.8%と高率である。ただし、窒素の除去は20%低い(表1)。
3.
オガクズ濾材の使用回数(日数)は50回程度まで濾過効果を持続する。その後、濾過槽上に汚水が滞留及び濾過の遅延に続き目詰まりを起こす。使用回数は60回程度である。この目詰まりの原因は、攪拌機の先端による一定位置の攪拌による硬盤形成である。
4.
曝気処理では、pHは上昇し、SSは空気との混合攪拌による活性汚泥様浮遊物の発生が認められ数日間増加した後低下する。また、曝気の効果は、BOD、T-Nで高く、特にBODは80%の除去率が得られ、汚濁物質の酸化が進んだものと考えらる(表2)。
5.
曝気槽上のアンモニアガスは1日目に上昇しその後低下する。それに伴って、処理水の臭気低減効果も認められ、さらに色も茶褐色に変化し、粘ちょう性の少ない液肥の生産ができる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
T-Nは、曝気に伴いアンモニア等が揮散し含有量が低下するが、液肥として利用するためには一定量保持する必要がある。今後、臭気との関係も含めて曝気量の調整を検討する必要がある。また、保管中にも変動するので利用前に濃度測定が必要である。
2.
液肥利用のための十分な圃場の確保と液肥保管施設が必要である。
3.
汚水の濃度により発泡現象が認められるので、曝気量の調整が必要である。
図表1 217219-1.jpg
図表2 217219-2.gif
図表3 217219-3.gif
カテゴリ くり 経営管理 除ふん 低コスト 乳牛

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