超音波肉質診断の精度向上におけるコンピュータ画像解析の利用

タイトル 超音波肉質診断の精度向上におけるコンピュータ画像解析の利用
担当機関 栃木畜試
研究期間 1999~2002
研究担当者 川田智弘(栃木畜試)
発行年度 2003
要約 肉用牛の超音波肉質診断技術において、コンピュータによる画像解析により、診断精度の向上を図ることができる。また、肥育牛の産肉形質変化の調査結果を基に、24か月齢での出荷時脂肪交雑等級の推定が可能である。
キーワード 肉用牛、超音波肉質診断、画像解析、脂肪交雑推定
背景・ねらい 超音波診断装置による生体肉質診断技術は、肉用牛の早期能力推定や肥育技術改善への応用が期待されているが、明確な診断基準が確立されていないため、診断方法や術者によりその精度に大きなばらつきがある。そこで、デジタルビデオによる高精度の画像記録方式とコンピュータによる画像解析を組み合わせることにより診断精度の改善を図る。また、この手法を利用して黒毛和種去勢肥育牛を経時的に測定し、肥育期間中の産肉形質の変化を調査して、産肉生理や早期肉質推定について検討する。
成果の内容・特徴 1.
超音波肉質診断装置(富士平工業:スーパーアイミート)による測定は、牛体左側の肩胛骨後端後ろ10cmを測定部位として測定を行う。測定画像はデジタルビデオに記録し、これをコンピュータ(以下、PC)に直接取り込んだ後、PC上で画像の解析を行う。特に脂肪交雑の診断は、産肉成績が既知の超音波画像をBMS
No.ごとにスタンダード画像として動画像データベース化(約40サンプル)し、PC画面上で診断画像と画像輝点の分布や動きを比較することにより高精度のBMS
No.判定が可能である。この方法による実測値との相関は表1のとおりである。
2.
各産肉形質のうち、ロース芯面積や背脂肪厚についてもPC上で解析を行った場合、超音波診断画像と枝肉実測値との相関は表1のとおり非常に高く、精度の高い診断が可能である。しかし、バラ厚は相関係数0.65で5%水準の相関であり、他の形質に比較すると相関が低くなる傾向がある。
3.
以上の診断方法を用いて、同一飼養条件の黒毛和種去勢肥育牛10頭の肥育期間中の各産肉形質についての発達過程を調査した結果、ロース芯面積などの筋肉組織は経時的に増加するが、増加のパターンは個体の能力により特徴が見られる(図1)。また、背脂肪厚などの脂肪組織は肥育期間中に増減の振幅がみられ、増体や血液成分変化などとの関係から、経時的に単純に増加するのではなく、肥育期間中の飼養状況の影響を受けることが示唆される(図2)。
4.
脂肪交雑(BMS No.)推定値の変化の調査結果から、出荷時の脂肪交雑等級については3、4、5等級について24か月齢で判定が可能である。しかし、特に5等級の牛については、28ヶ月齢ころまでBMS
No.の値が増加する場合もあり、個体によっては山崎ら(草地試研報,18:1981)の報告よりも肥育後期の時期まで脂肪交雑の発達がみられる。(図3)
成果の活用面・留意点 1.
本方法により、高精度の診断を客観的に行うことができるので、飼養技術の改善や出荷時期の適正化など、超音波診断技術の生産現場への利用が促進される。
2.
脂肪交雑推定時の画像比較は、宮島(西畜会報,44:2001)の診断基準を参考にした。また、脂肪交雑推定の精度向上には、画像上でのロース芯部位特定が重要であるため、各組織の解剖学的な理解が必要である。
図表1 217230-1.gif
図表2 217230-2.gif
図表3 217230-3.gif
図表4 217230-4.gif
カテゴリ 出荷調整 診断技術 データベース 肉牛 ばら

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