奥久慈しゃもの低コスト生産技術

タイトル 奥久慈しゃもの低コスト生産技術
担当機関 茨城畜セ
研究期間 1999~2002
研究担当者 大林康信
須藤正巳
蔵本博久
生井和夫
御幡寿
礒政男
発行年度 2003
要約 慣用飼料にくず米10%と乾燥おから10%を添加することにより、奥久慈しゃもの現在の肉質を維持しながら飼料費が低減できる。
キーワード 肉用鶏、奥久慈しゃも、低コスト生産、くず米、おから、発育優良鶏
背景・ねらい 奥久慈しゃもは、県北山間地域の特産物として肉質においても高い評価を得ている。しかし、最近は産地間競争の激化により、現在の肉質を維持しながら低コスト生産技術の確立が求められている。そのため、慣用飼料にくず米、乾燥おからを添加することによる飼料費節減について検討する。また、しゃも×{名古屋×ロードアイランドレッド}という3元交雑において、ロードアイランドレッドに発育優良系統を利用した肥育期間短縮についても検討する。
成果の内容・特徴 1.
くず米を市販ブロイラー用飼料に10%、20%、30%添加して給与すると、増体量は雄の20%添加区が対照区に対して有意に減少する(P<0.05)。飼料摂取量は有意差が認められないもののくず米の添加割合が増えるに従い減少する傾向がある。食味は、雄では10%添加区、雌では10及び20%添加区が優れている。
2.
乾燥おからを市販ブロイラー用飼料に10%、20%、30%添加して給与すると、増体量は雌雄ともに、おからの添加割合が多くなるに従い有意に少なくなる。飼料摂取量の有意差は認められないが、おからの添加割合が増えるに従って増加する傾向にある。食味は雌雄とも10%区が対照区と比較して遜色無い。
3.
くず米10%、乾燥おから10%及びくず米10%+乾燥おから10%混合物を市販ブロイラー用飼料に添加して給与すると、増体量は雌雄ともにくず米区で劣り、おから区では添加割合が多くなるに従い有意に減少する(表1)。飼料摂取量には有意差はない。飼料費は雌雄ともくず米区で1羽当たり60~61円、おから区で30~42円、混合区で64~102円安くなる(表2)。なお、食味は雌雄とも混合区が対照区と比較して遜色無いとの評価を得ている。
4.
発育優良系統である熊本ロードを利用した種鶏段階(F1母鶏)の比較では、体重については有意差がないものの常に熊本ロード交雑区が茨城ロード交雑区より大きい。飼料消費量についても有意差はないが常に熊本ロード交雑区のほうが多い。産卵率は、初期は熊本ロード交雑区が高いが、その後は茨城ロード交雑区のほうが優れている(表3)。
5.
熊本ロードを利用したコマーシャル鶏の検討では、増体量は雌雄とも熊本ロード交雑区の方が優れている(表4)。日齢と発育体重との回帰式から雌で14日、雄で13日の肥育期間短縮の可能性が示唆される。食味は雌雄とも茨城ロード交雑区のほうが優れている。
成果の活用面・留意点 1.
発育優良鶏種の利用により発育及び経済性は改善されることが明らかとなったが、食味は従来より劣る結果となったので、利用については出荷先の意向を参考にして慎重に検討する必要がある。
図表1 217252-1.gif
図表2 217252-2.gif
図表3 217252-3.gif
カテゴリ 乾燥 出荷調整 低コスト 肥育期間短縮 良食味

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