タイトル | 深部膣内電気抵抗値による豚の早期妊娠診断 |
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担当機関 | 長野畜試 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
西條勝宜 保科和夫 供野潤也 清水伸也 原雄一 毛利重徳 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 市販の深部膣内電気抵抗値測定器を用いて、豚の妊娠判定の基準(授精後の次回発情予定日1~3日前の計測値が300以上を受胎、300より低値であれば不受胎)を設定し、妊娠診断を行うと、妊娠(受胎)的中率は80.4%、不受胎的中率は100%であった。 |
キーワード | 深部膣内電気抵抗値、ブタ、早期妊娠診断 |
背景・ねらい | 繁殖性を高め、非生産日数(NPD)を極力抑制することが、大規模化した一貫養豚場において重要な事項の一つとして指摘されている。 妊娠診断においては、交配後、発情周期を一周期経過する前に、経験に裏付けられた技術を要することなく妊娠診断が高い精度で遂行できることは、経営成績を高めるための飼養管理技術として重要と考えられる。 そこで、簡易な早期妊娠診断法として深部膣内電気抵抗値による妊娠判定について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 供試した深部膣内電気抵抗値測定器は市販品で検知部と表示部一体型のハンディータイプ、ポーランド製である。(写真1) また、供試豚は当場繋養の純粋種、交雑種雌豚を用いた。 2. 供試測定器による発情周期における測定値の変化のパターンは、図1に示すとおり、発情日(許容開始日)の1~3日前に最も低下(深部膣内抵抗値300以下)する(供試頭数は12頭)。このことから妊娠判定の基準を授精後の次回発情予定日1~3日前の計測値が300以上を受胎、300より低値であれば不受胎と設定するのが妥当である。 3. 設定した判定基準により延べ56頭を供試し、妊娠診断を行ったところ、受胎と判定されたものが46頭(純粋種23頭、交雑種23頭)、不受胎と判定されたものが10頭(純粋種7頭、交雑種3頭)であった。受胎と判定された46頭中、分娩に至ったものが37頭、再発情等で分娩に至らなかったものが9頭であり、妊娠(受胎)的中率(分娩頭数/受胎判定頭数)は80.4%である。また、不受胎と判定された10頭は、すべて発情が確認され、不受胎的中率(再発情頭数/不受胎判定頭数)は100%である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 供試した深部膣内電気抵抗値測定器はドラミンスキージャパン アダムコーポレーションから家畜用排卵測定器(豚・羊用)として市販されている。現在、雑貨として輸入されている。 3. 深部膣内電気抵抗値測定器の使用にあたっては、膣内に挿入することから衛生面に特に配慮する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 経営管理 飼育技術 大規模化 繁殖性改善 羊 豚 |