タイトル | ウンシュウミカン着花量予測のためのデンプン診断の適正な採取時期と診断基準 |
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担当機関 | 静岡柑橘試 |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
杉山和美 江本勇治 __櫻 中村明弘 杉山泰之 鈴木晴夫 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ウンシュウミカンの着花量を予測するためには、樹体内のデンプン含有率を、11月中旬~12月中旬の根(径5mm前後の中根)で分析することが適切である。「青島温州」の連年生産のための適正範囲は1~4%と推定される。 |
キーワード | ウンシュウミカン、栄養診断、デンプン、着花量、隔年結果 |
背景・ねらい | ウンシュウミカンは近年、高品質果実の安定生産が要求されており、隔年結果や果実品質の年次差改善など対策を行うため、果実生産の出発点である着花状況の予測が要望されている。 ウンシュウミカンでは、樹体の栄養状態が冬季の根に、より明瞭に反映されることから、貯蔵炭水化物であるデンプンを指標にした診断により、翌年の着花量を予測するための根の採取時期およびデンプンの適正範囲等を検討する。 この診断結果に気象条件等を合わせた栽培管理技術対策により、安定生産を可能にし、経営を安定化させることが期待できる。 |
成果の内容・特徴 | 1. 根(径5mm前後の中根)に含まれる12月の根中デンプン含有率と葉花比との関係は、ほぼ近似式y=ax図1)。 2. 12月の根中デンプン含有率は、11月から3月まで次第に高くなるが、デンプン含有率と葉花比との関係の近似式の寄与率は11中旬と12月中旬の根で高く、分布の幅も広く判定しやすい(表1)。 3. 県内代表的20園地の7年間の調査から、隔年結果の少ない連年生産園では、デンプン含有率が連年ほぼ1~4%の範囲にある(図2)。 4. 単年度の根中デンプン含有率と葉花比との関係でも、12月の根中デンプン含有率1~4%の範囲にある樹体は、葉花比5~20の適度な範囲にほぼ収まっている。よって、12月の根中デンプン含有率1~4%が連年生産のための適正範囲と推定される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 根は直径5mm前後の(細根を除いた)ものを1樹から2カ所以上、合わせて50cm程度採取し、微粉砕したものを試料とする。 2. 簡易デンプン分析法であるヨウ素比色法により、同時に多数の調査が可能である。 3. 根中デンプン含有率の適正範囲1~4%は、「青島温州」に適用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 温州みかん 栄養診断 経営管理 栽培技術 |