タイトル | 旧盆に合わせた夏秋小ギクの電照抑制栽培による開花調節技術 |
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担当機関 | 富山農技セ |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
高口宗範 森井 環 谷口操枝 島 嘉輝 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 夏秋小ギクに対する定植または摘心からの深夜5時間電照は、花芽分化を抑制する効果があり、旧盆出荷に合わせた開花調節が可能である。また、電照に伴う一部品種のボリウム低下は、栽植密度、仕立て本数を制限することによって回避できる。 |
キーワード | 夏秋小ギク、電照、開花調節、栽植密度、仕立て本数 |
背景・ねらい | 旧盆出荷の小ギクは、気象条件により開花に年次変動が見られることから、開花調節技術の確立が望まれている。そこで、キクの日長反応を利用した電照抑制栽培による開花調節の可能性と電照に伴う一部品種に見られるボリウム低下防止対策について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. キクの生長点付近で照度50ルクス、深夜5時間(21~2時)の電照による花芽分化抑制効果は、供試した夏秋タイプの小ギク24品種うち20品種で認められる。(表1)。 2. 花芽の発達、平均開花日から電照による開花調節により、旧盆出荷可能な品種は、24品種中17品種である(表1)。 3. 電照に伴う一部品種に見られる切り花重の減少は、株間15cm2条植の摘心3本仕立てまたは、株間10cm4条植の無摘心仕立てにより、慣行栽培と同等の切り花重を得ることができる(表2)。 4. 摘心栽培と無摘心栽培を組み合わせることによって、さし芽、定植労力を分散することができる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 露地での電照栽培に適用する。 2. 開花反応が品種によって異なるため消灯時期を考慮するとともに、電球は、キクの生長点より150cmの高さに3m×3m間隔で電球を配置する。 3. 上記仕立て本数で、採花率85%、深夜5時間50日間の電照(防水型ソケット、24hタイマー利用)とした場合の初年度導入経費は、電球形蛍光ランプ(定格寿命6,000h)を用いた場合で設置経費18.41円/本、電気代0.34円/本、白熱球(定格寿命1,500h)を用いた場合で設置経費10.06円/本、電気代1.01円/本である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | きく 栽培技術 出荷調整 品種 |