タイトル | 生分解性マルチを利用した夏秋どりキャベツ等における全面マルチ栽培 |
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担当機関 | 長野中信農試 |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
金子博 元木悟 小松和彦 小澤智美 中山利明 塚田元尚 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 生分解性マルチは、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー等の夏秋どり全面マルチ栽培に利用でき、生育期間の短縮や施肥量の削減、フィルム回収作業の省力化、使用済みプラスチックの排出抑制等に有効である。 |
キーワード | |
背景・ねらい | キャベツやカリフラワー、ブロッコリー等において、ポリマルチ栽培は収穫後フィルム除去時の残さ処理に労力を要するためほとんど行われていなかったが、最近はセル成型苗を用いた際の初期生育の安定や減肥を図るため増えつつある。 一方、農業用廃プラスチックの排出量抑制も求められ、その対策のひとつとして、すきこみ後土中の微生物によって分解される生分解性マルチの実用化が進んでいる。そこで、生分解性マルチを利用したこれら品目の全面マルチ栽培技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. キャベツでは、生分解性マルチ栽培により生育が促進され、無マルチ栽培より春作では2~5日、秋作では9~10日収穫時期が早まる(表1)。また、初期生育も安定している。ブロッコリー及びカリフラワーでもキャベツとほぼ同様の傾向がみられ、無マルチ栽培と比較し、生育促進的な効果が期待できる(表2)。 2. 春作では定植時期が早いほど、また秋作では定植時期が遅いほど生分解性マルチ利用による生育促進効果がみられ、無マルチ栽培より生育日数が短くなる(表1、表2)。 3. キャベツの生分解性マルチ栽培では、無マルチ栽培での慣行窒素施用量2.5kg/aより20%減らしても、同程度の生育を示す(表3)。また、ブロッコリーでも同様の傾向がみられる。 4. 生分解性マルチ栽培では、ポリエチレンマルチ栽培より30%のコスト増になる(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 生分解性マルチは、伸びにくく縦方向に裂けやすいことや、通気性が高くマルチ下土壌が乾きやすいなど、ポリエチレンマルチと異なる特性があるので注意する。 2. マルチ栽培では中耕や培土作業が行いにくいので、基肥主体の施肥設計とするとともに、風などによる倒伏の影響の少ない品種、作期での導入を図る。 3. 窒素施用量は土壌診断に基づいて決定する。 4. 収穫後はアップカットロータリを用いてすき込めば、土中にフィルムが入り込み分解されやすくなる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | カリフラワー キャベツ コスト 栽培技術 省力化 施肥 土壌診断 春作 品種 ブロッコリー |