エダマメ機械移植に適したセル成型苗の育苗方法

タイトル エダマメ機械移植に適したセル成型苗の育苗方法
担当機関 新潟県農総研園芸研
研究期間 1999~2003
研究担当者 高岡裕樹
江口喜久子
発行年度 2003
要約 エダマメセル成型苗において、育苗培土にクンタン7割培土を使用し、アルギン酸ナトリウムを浸漬処理することで、移植精度が向上し、機械移植に適した育苗が可能となる。
キーワード エダマメ、セル成型苗、機械移植、アルギン酸ナトリウム
背景・ねらい エダマメセル成型苗の機械移植は根鉢形成が悪く、定植効率が悪いことが問題となる。機械移植に対応した育苗方法を開発し、育苗・移植作業の省力軽労化を図る。
成果の内容・特徴 1
育苗培土
(1)
培土は、クンタンとセル培土を体積比で7:3で混和する。これにより、移植時の引抜き抵抗を低減することができる(データ略)。
(2)
培土の混和はできるだけクンタンの粒が壊れないように行なう。クンタン7リットルとセル培土3リットルを混和した場合、約8リットルのクンタン7割培土ができる。
2
は種の準備
(1)
エダマメは培土水分70%(重量%)で最も発芽がよくなる(図1)。この水分量(かん水後、握ると固まり、落とすと割れる状態で70%前後の水分量となる。)にあらかじめ調整してからセルトレイ(以降“トレイ”という)に充填する。
(2)
トレイへの充填は、培土を強く押し込まず、1~2回軽く振動を与えた後すり切りし、鎮圧器では種穴をつくる。培土量は覆土を含め1,500g、3.9リットル程度となる(データ略)。
3
発芽後、かん水は、毎朝1回トレイの下穴から水がしみ出るまで十分かん水する。
4
凝固剤の準備
(1)
アルギン酸ナトリウム(7~12mpa・s)1%溶液と塩化カルシウム1%溶液を使用する。
(2)
アルギン酸ナトリウム粉末は水に溶けにくいので、溶解作業は浸漬処理前日に行う。溶解は水を撹拌しながら粉末を少しづつ投入する。
5
浸漬処理
(1)
移植作業前日又は当日に浸漬処理を行う。浸漬処理を行なう日はかん水を行わない。
(2)
処理は、アルギン酸ナトリウム溶液にセル成型苗をトレイごと浸漬する。十分浸漬がすんだ後、塩化カルシウム溶液に同様に浸漬する。
(3)
トレイ1枚当たりのアルギン酸ナトリウム溶液の吸収量(使用量)は、培土の乾き具合により650~1,500gと差異が生ずるが、この範囲であれば効果に差はない(表2)。
6
移植
(1)
初生葉半開時が機械移植の適期となる(表1、図2)。移植当日のかん水は必要ない。
(2)
上記処理により、機械移植成功率は無処理の約70%に対し約90%となる(表2)。
7
移植後の生育は、浸漬処理を行なわない場合と同等の生育、収穫量となる(表2)。
成果の活用面・留意点 1
指定した育苗培土、凝固剤以外は使用しない。又、指定した育苗・使用方法を守る。
2
移植適期になってもほ場の準備が整わない場合は、冷蔵庫で低温貯蔵する。方法は、平成14年度成果情報「定植適期の延長が可能なエダマメのセル成型苗の低温貯蔵方法」を参照。
3
この成果に係る試験の育苗は、4月中旬~6月下旬、最高気温22~44℃、最低気温9~22℃の育苗ハウスで行った。
4
この成果に係る試験において、セル培土はK社育苗用土N30タイプを、アルギン酸ナトリウムはK社BL-1Gを使用した。
図表1 217510-1.gif
図表2 217510-2.gif
図表3 217510-3.gif
図表4 217510-4.gif
カテゴリ 育苗 えだまめ 軽労化 栽培技術

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