タイトル | 晩播「あやこがね」を導入した大豆収穫適期日数の拡大と豆腐のうま味向上 |
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担当機関 | 中山間農技 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
横山泰之 横山和男 金井政人 後藤和義 高橋都志恵 宍戸功一 田村良浩 渡邉千恵 服部誠 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 標準播「エンレイ」のみの作付体系に晩播「あやこがね」を組み合わせることで収穫適期日数が拡大し、コンバインの刈取可能面積が1.5倍に拡大される。「あやこがね」を晩播する場合の適正栽植密度はm2当たり16~19本、晩播により減収するが、百粒重は変わらず、豆腐のうま味が増す。 |
キーワード | あやこがね、晩播、収穫適期、栽植密度、豆腐、うま味 |
背景・ねらい | 新潟県における大豆作付品種は中生の「エンレイ」が95%以上を占め、収穫時期の集中から刈り遅れによる品質低下が生じている。そこで、晩生品種「あやこがね」の特性を生かした栽培法を確立し、中生品種「エンレイ」との熟期分散により、収穫機械の有効利用と品質向上を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 標準播「エンレイ」のみの作付体系に対して、晩播「あやこがね」を組み合わせた体系では収穫適期日数が7日拡大され、収穫適期期間は20日になる。晩播「あやこがね」の導入により、刈取可能面積は1.5倍に拡大され、刈り遅れの回避と収穫機械の有効利用につながる(表1)。 2. 刈取可能面積を最大にする晩播「あやこがね」の作付割合は約3~6割である(図1)。また、6割をこえる作付けは収穫適期を外れ、刈り遅れが生じる。 3. 晩播「あやこがね」は密植により主茎長が伸び、最下着莢高は高くなる。また、主茎長が約70cmをこえると倒伏程度が高まる(図2)。 4. 機械収穫に適する草姿を主茎長70cm未満、最下着莢高10cm以上に想定した晩播「あやこがね」の適正栽植密度は、m図2)。 5. 「あやこがね」は晩播栽培(6月20日頃)によって、生育量と莢数の低下から減収するが、百粒重の低下は見られない。また、栽植密度が収量に与える影響は小さいが、密植により減収程度は少なくなる(表2)。 6. 「あやこがね」を6月下旬以降に播種すると、地域や年次によって、収量や百粒重が著しく低下することがあるので、遅くとも6月20日頃までに播種する(図3)。 7. 「あやこがね」の豆腐は、エンレイと比較して少し軟らかいものの、晩播によってうま味が増す(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 梅雨期にあたる晩播は、砕土や播種精度の悪化が予想されることから、晩播「あやこがね」は、麦あとや播種作業の終盤を想定する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
図表6 | ![]() |
カテゴリ | 収穫機 大豆 播種 品種 |